2007年09月14日発行1002号(2007年9月21日号)

【4党合意時の怒り忘れるのか 鉄建公団訴訟 大分闘争団・赤峰 正俊さん】

 国鉄労働者1047名の解雇撤回に向け、連続行動が開始されている。鉄建公団1次訴訟判決後、国鉄闘争は「4者4団体」〈注〉の枠組みでの行動が多くなった。しかし、かつての4党合意への明確な総括がなければ、国土交通省の思惑どおりに展開しかねない危険性を秘めている。大分闘争団の赤峰正俊さんが勝利への思いを「闘争団を支える大阪の会総会」で訴えた。

思いとかけ離れた内容

 赤峰さんは今の状況をどう見ているのか。「当事者の私が理解できないのが「最大の山場」「年内解決」の言葉だ。私は実感できない。私たちの闘いが単独で解決できる状況じゃない。まだ社会的に闘いが盛り上がり、敵から敵だと思われる状況になっていない。私たちのスローガンは不当解雇撤回・原職復帰だったはずだ。それが今、当事者の思いを越えて要求が変わろうとしている」

 新たな4党合意が出てきかねないと、赤峰さんは警鐘を鳴らす。4党合意とは2000年、当時の与野党4党が国鉄闘争解体を狙ったもの。国労本部がJRに法的責任がないことを認めて直ちに訴訟を取り下げ、解決条件は4党に委任することを内容とした。当事者の思いとまったくかけ離れた内容であり、広範な怒りと抗議を生んだ。反対する組合員に国労本部は処分を強行した。

 「被解雇者の団結を否定した。これこそまさしく不当労働行為だった。その反省なきまま再び政治的解決になだれ込もうとしている。なぜ、あの時の怒りを忘れるのか。鉄建公団訴訟は一人一人の判断で始まった。自分の意思で立ち上がったものだった。私たちはその思いでやってきたはず」と振り返る。赤峰さんは4者4団体が強調される背景となる動きにふれる。「国土交通省のずるい考えだ。鉄建公団訴訟原告団に対し「バラバラに来ても対応しませんよ。まとまって来てください」と繰り返した。バラバラにしたのは一体誰だったのか」

闘いの出発点忘れない

 不当労働行為を追及する赤峰さんは「結果は負けでも、あの闘いがあったから今があるという闘いは多い。私たちの出発点は、損害賠償や年金問題ではなく、不当労働行為責任を問題にしてきたはず」と闘いの出発点を忘れない。

 勝利への道筋について、「20年間闘ってきた私たちは闘う方法を知っている。すべての職場で非正規労働者が拡大し、不安定労働がかつてないほど増大している。明日の仕事が保証されていない若者たちが街にあふれている。20年前の私たちの経験を伝えれば、理解してくれる労働者はいくらでもいる。コンサートや平和・環境・教育問題にテーマした集会を何度も取り組み成功させてきた。国鉄闘争もまだまだ広がる。20年かけて闘いが崩されたなら、20年かけて元に戻す」と言葉を結んだ。

 〈注〉4者4団体―鉄建公団訴訟原告団・闘争団全国連絡会議・鉄道運輸機構訴訟原告団・全動労争議団の4者と国鉄共闘会議・国労・建交労・中央共闘の4団体

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