2016年08月19・26日発行 1441号

【経産省前テント 撤去命令が確定 「脱原発の旗掲げ闘い続ける」】

 経済産業省前に設置された脱原発テントの立ち退きを国が求めていた訴訟で最高裁は7月28日、「被告」側の上告を退ける決定をし、テント撤去と土地使用料の支払いを命じた二審判決が確定した。

 これに対し経産省前テントひろばは8月2日、抗議の記者会見を開いた。

 「被告」とされた一人、テントひろば代表の淵上太郎さんが声明を読み上げる。「東京高裁判決は昨年10月26日。以来、国はいつでも強制執行ができたのに今日にまで至ったのは、テント撤去を強制するいささかの自信も持ち得なかったからではないか。私たちはたじろがず粛々とテントを守り、脱原発の旗を高く掲げて闘いを続ける」

 大口昭彦弁護士は「決定書はたった1枚。民事訴訟法上の適法な上告理由にあたらないと言うだけで、三行半(みくだりはん)#サ決の典型だ。原発をめぐる日本の現状は憲法違反ではないのか。最高裁は何を見ているのか」と憤った。

自ら撤収することはない

 テントをよりどころに闘ってきた人たちが次々にマイクをとる。原発いらない福島の女たちの黒田節子さんは「5年前に経産省に申し入れた『原発やめて』『再稼働するな』『子どもを避難させて』の3つがどれも達成されていないどころか、逆の方向に進んでいる」、双葉町から避難した亀屋幸子さんは「おととい、近くに住んでいた51歳の男性が突然死した。国はテントに頭を悩ます前に福島第一原発事故を収束させてください」と訴えた。

 第3テントを運営する平和と民主主義をめざす全国交歓会の高瀬晴久さんは「自ら撤収することはない。権力との非対称的な力関係の下、民衆が主張し要求することは、憲法が保障する表現の自由の行使そのもの。設立5周年の9月11日、『脱原発!怒りのフェスティバル』を開く。ぜひご参集を」と呼びかけた。

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