2016年10月14日発行 1448号

【相模原殺傷事件で障がい者がアピール/「いなくなればいい」存在ではない=z

 相模原市の福祉施設、津久井やまゆり園で起きた障がい者大量殺傷事件から2か月。9月26日都内で、DPI(障害者インターナショナル)日本支部などでつくる実行委員会が主催してアピール行進が行われた。

 参院議員会館での追悼集会を終えた人びとが日比谷公園に集まってくる。先頭に「共に生きるインクルーシブな(どんな人も受け入れる)社会を!」の横断幕。そこには参加した一人ひとりのメッセージが書き込まれている。

 「必要のない命はない!!」「生まれ出た生命にいらないものなどない」「僕らは皆生きている!」「人が生きてこそ『人生』という!!」「からっぽの人間なんていない! みんな感情と意思と言葉を持っている」「経済効率優先は優生思想・差別のみなもと」「障がいがあっても人間らしく暮らしています! 障がい者は邪魔者じゃない!」「優生思想にまけない!!」「ありのままが認められる社会を!! 障がいがあったって幸せ?だもーん!」「ふつうにくらせるしあわせを!」

 300人の参加者の多くは障がいを持つ当事者。「私たち障がい者は『いない方がいい』と言われている。きっちりと、そうじゃないということを大きい声で訴えよう」と行進が始まった。

 宣伝カーからも発信する。

 「事件を機に障がい者の地域での生活が阻まれることがないよう訴えたい。容疑者は『障がい者は不幸をつくり出す存在。いなくなればいい』と語ったという。こうした考え方は残念ながら私たちの社会に広く存在している」

 「私たちはこの『障がい者はいなくなればいい』という価値観に対し、障がい当事者としてはっきりと反対の意思を表明する」

 「このような痛ましい事件が二度と起きることのないよう、障がいの有無によって分け隔てられることなく、誰もが共に学び、働き、暮らせるインクルーシブな社会の実現をめざそう」

 行進では、「すべての人の命と尊厳を守ろう」「われわれは個性的な存在だ」「誰も取り残されない社会をつくろう」と声を上げた。



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