2016年10月21日発行 1449号

【みるよむ(414) 2016年10月1日配信 イラク平和テレビ局in Japan 基地と戦争に反対しよう インタビュー IVAWクロードさん】

 イラク平和テレビ局in Japanは、2016ZENKOに参加したIVAW(反戦イラク帰還兵の会)のクロード・コープランドさんにインタビューした。

 クロードさんは、高校時代にジュニア予備役将校訓練課程(JROTC)に入った。勧誘する軍の士官たちから「軍隊に入隊したら、様々な国に行けるし、楽しくすばらしい人生経験ができる」との話を聞かされて魅力を感じていた。大学を退学し、2001年5月に陸軍に入隊した。

 2003年3月に始まったイラク戦争で、占領軍としてイラクに送り込まれた。クロードさんの部隊は迫撃砲の攻撃を受け、IED(即製爆破装置)が爆発して大混乱したこともある。

 帰国後、「イラクに大量破壊兵器がある」という政府のウソを信じさせられていたことに怒りを感じ、反戦運動に参加した。ここで巡り会ったのがIVAWだった。IVAWが良心的兵役拒否者を支援していることを「勇気のあることだと思った」と言う。

 大学でのROTC(予備役将校訓練課程)に反対する活動を進めた。キャンパスで、ROTCに反対する討論会を組織し、とうとうある大学のROTC受け入れ拒否に成功した。

 復員軍人局支援運動などにも取り組んでいる。戦地から帰ってきて負傷やPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむ帰還兵がたくさんいるが、政府は復員軍人局の病院も民営化し、治療水準を切り縮めようとしている。予算不足で病床が閉鎖される問題が起こっている。帰還兵自身の命を守る闘いだ。

 IVAWは、大統領選挙で排外主義をあおるドナルド・トランプに対して「帰還兵士(ベテランズ)vs憎悪(ヘイト)」のキャンペーン運動を進めている。クロードさん自身も、ニューヨークのトランプ・ビルに行き、ヘイトスピーチを許さず、「帰還兵士の代弁者だ」と言うトランプに断固とした反対の声を突きつけた。

 クロードさんは「沖縄の人びとは基地建設を止めるために非常に強力な戦術を行使している」と沖縄の反基地運動に熱い連帯のメッセージを寄せる。IVAWなど米国反戦運動と手を取り合って、沖縄の新基地建設、安倍政権による憲法改悪を許さない闘いを進めたいと思う。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)



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