2016年11月04日発行 1451号

【子どもを追いつめる「不登校対策法案」反対/署名・スタンディング・議員要請に奮闘/寄稿 横浜市 フリースペースたんぽぽ・青島美千代】

 不登校の子どもを排除し、ますます追いつめる「不登校対策法案」。多くの反対の声にもかかわらず、国会審議再開への動きが強まっている。法案反対行動に立ち上がった横浜市のフリースペースたんぽぽ・青島美千代さんに報告を寄せてもらった。

署名1897筆提出

 現在、国会で継続審議になっている「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案」、通称「不登校対策法案」に反対する当事者や親たちの声が広がっています。私たちのフリースペースたんぽぽも他の団体と協力して、署名を集め、スタンディングや国会議員への呼びかけをするなど、共同で取り組みを進めています。

 10月23日までに、協力いただいた廃案を求める署名は1203筆になり、いろいろな団体で取り組む法案に反対の請願署名は、全体で8000筆を超えています。

 議員会館に足を運び、署名の紹介議員になってもらえるよう依頼したり、法案が子どもたちをさらに追いつめていくことなどを知ってもらったり。資料を手に、法案を議論する文教委員会を中心に国会議員を20人以上回り、当事者の声を直接訴えています。

 10月12日、大阪から参加した「登校拒否・不登校問題全国連絡会」の方とも一緒に回り、共同で1897筆の署名を提出しました。

「勝手に決めないで」

 10月19日の国会行動の日には、共産党の議員さんたちも駆けつけ、一緒に議員会館前で「当事者の声を聞いて」「教育機会確保法案NO!」などと書かれたプラカードを持ち、スタンディング。マイクで「不登校の子どもたちを差別しないで!」「子どもの命にかかわる問題を勝手に決めないで」と訴えました。

 終了後、議員会館近くの永田町駅前で「不登校・ひきこもりを考える当事者と親の会ネットワーク」の方たちと一緒に5人で署名を行い、1時間で100筆以上の署名が集まりました。「子どもたちが学校から排除されるのはおかしい。排除されるべきなのは安倍首相の方だ」「こういう法案があることを全く知らなかった。他に署名を集めるので、用紙をもらっていきます」など、元気の出る言葉をたくさんもらいました。

 また、たんぽぽのサポーターの方たちからも署名が届いています。鶴見駅の街頭で署名をしてくれた方は「たんぽぽの場所知っています」と声をかけてくれました。

 一人一人の協力で取り組みが進んでいることがとてもうれしいです。議員会館に行く回数も多く、ため息が出ることもありますが、みなさんの協力や子どもたちの思いに応えていけるよう頑張ろうと思います。

署名で訴え広げる

 今後、連続学習会や議員会館での反対集会(10月26日)も予定されています。

 法案が通ったら、不登校の子どもが学校から排除され、学校がますます子どもたちにも先生にも厳しい場所になっていくこと。文科省の教育政策が子どもの教育ではなく、効率を優先する企業の人材づくりになっていること。署名を集めながら、法案の問題を多くの人たちに知ってもらいたいと思います。

 また、義務教育とは、15歳までは子どもを不当に働かせてはいけない大人の側の義務であり、子どもたちには教育を受ける権利がある。権利の行使は自由なのに、学校へ行かないことを問題視する大人の眼が、多くの子どもたちを傷つけている。そうしたことも一緒に伝えていきたいと思っています。





 
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