2017年03月10日 1468号

【実負担たった200万円/森友学園に国有地激安売却/政府も維新も怪しすぎる】

 学校法人・森友学園をめぐるスキャンダル。その中心はやはり国有地の激安取得疑惑である。

 昨年6月、森友学園は今春開校予定の小学校(瑞穂の國記念小學院)の用地として大阪府豊中市の国有地8770uを購入した。国有地の売却額は透明性の観点から「原則公表」とされているのだが、財務省近畿財務局はなぜかこの件を非公表とした。

 これはおかしいと地元の市議会議員が国を提訴。すると一転して売却額を明らかにした。こうして、不動産鑑定士が9億5600万円と評価した土地が1億3400万円で森友学園に払い下げられていたことが発覚した。実に8億円を超えるディスカウントである。

 国は「地下にごみが埋まっていて、森友学園が撤去する費用8億1900万円などを差し引いた」と説明する。だが、通常は専門業者が行う撤去費用の積算を国土交通省の大阪航空局が直接行っていた。しかも、実際にごみが撤去されたのか、費用はいくらかかったのか、財務省は「把握していない」という。

 そもそも、売買が決まる前の2016年3月の段階で、国は除染費用として1億3176万円を森友学園に支払っている。つまり、森友学園は200万円ほどの負担で8770uの土地を得たことになるのだ。

 実際にごみ撤去は行われたのか。ごみ処理業者を直撃すると驚愕の答えが返ってきた。学園側の指示により「実際に搬出したごみは半分ほどで、残りは運動場予定地に埋め戻した」というのだ。事実とすれば悪質な詐欺だし、何より子どもたちの健康をまったく考えていない。

  *  *  *

 学校設置認可のプロセスも怪しい。大阪府は2012年、森友学園の要望を受けて私立小学校設置認可基準を緩和した。幼稚園しか設置していない学校法人にも借入金による小学校設置を認める内容だ。その後、府の私立学校審議会は森友学園の小学校設置申請からわずか3か月で「認可適当」の判断を下している。財政状況や教育内容への疑問が委員から出ていたのにもかかわらず、だ。

 現時点で大阪府の認可はまだ降りていない。松井一郎知事は今になって「不認可」の可能性に言及しているが、自身に対する責任追及を避けるためのパフォーマンスとしか思えない。

 安倍首相、日本会議、維新府政−−森友学園スキャンダルにちらつく影をみていると、改憲勢力がこの国を私物化している構図が浮かんでくる。   (O)

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