2017年03月17日 1469号

【みるよむ(432) 2017年3月4日配信 イラク平和テレビ局in Japan 汚職と治安悪化はもうたくさんだ 抗議するイラク市民】

「チャレンジの日」

 治安は最悪、汚職ばかりの政府と政治家は市民の生活など全く考えない。こうした状況に対し、イラク市民は金曜日を「チャレンジの日」と銘打って首都バグダッド中心部で抗議デモを展開した。2017年1月、サナテレビはこの対政府抗議行動参加者にインタビューを行った。

 2017年になっても、治安の悪化が止まらない。モスルではIS(「イスラム国」)との戦闘が続き、対市民テロ攻撃も頻発している。その上、政府は賃金引き下げを強行し、年金も切り下げる。

 デモに参加したある大学生は「治安が崩壊し、街頭を私兵が支配していることに反対するとともに、行政機関の汚職に反対している」と、デモに参加する理由を説明する。

 女性の怒りも非常に大きい。ある女性は政府が年金を削減していることに強い怒りの声を寄せる。「病人の治療費や家賃の支払いを考えたら、まともな生活ができない」と言う。「あの議員たちをもう一度選んだりしない」と宣告する。

 もう一人の女性は、前の火曜日にカフルマン広場で行われた抗議行動に治安部隊が暴力をふるったことを糾弾する。「逮捕者を釈放しろ、政府も議会も徹底的に変えろと要求している」と反撃を開始していることを伝える。さらに、飢餓や貧困が広がっていることも指摘し、「すべての当事者が抗議行動参加しなければならない」と訴える。

闘いの現場を伝える

 デモ参加者とサナテレビのやりとりからは、不当な政府のやり口と闘っている現場ならではの臨場感と緊張感が伝わってくる。主張も明確だ。ちょうど、安倍政権の暴走や不当弾圧と闘う沖縄辺野古・高江、国会前の市民の抗議行動などと同質の闘いを感じることができる。

 失業や格差拡大、政府の弾圧、治安の悪化といった深刻な状況に、市民は不満を言うだけにとどまってはいない。政府に対する集会、デモを行い、治安の回復、汚職の一掃、生活の改善を要求している。汚職と暴力を許さず平和で民主的な社会を求めて闘うイラク市民と連帯したい。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)



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