2017年03月17日 1469号

【南西諸島自衛隊配備を許さない 「決してあきらめない」と政府交渉・院内集会】

 「陸自(陸上自衛隊)配備で南西諸島を標的にさせない政府交渉および院内集会」が2月28日、参議院議員会館で行われた。宮古島市民会議、南西諸島ピースネットなど4団体が共催した。

 集会は、午後1時から途中2時間45分の対政府交渉を挟んで延べ7時間の超ロングランとなった。参加者約100人はほとんど席を立つこともなく交渉と集会に集中した。南西諸島から訴えに来た4人の真剣な眼差しと発言に心を揺さぶられたからだ。

 安倍政権は、琉球弧と呼ばれる奄美大島から沖縄本島、宮古島、石垣島、与那国島の5島に自衛隊を配備し増強しようとしている。沖縄辺野古、高江の新基地建設問題はニュースにも取り上げられるが、南西諸島への自衛隊配備問題はほとんど報道されない。しかし、南西諸島自衛隊配備は、辺野古、高江、伊江島の米軍施設の再編強化と深く結びついていた。

 政府交渉では、外務省、防衛省、内閣官房、総務省など7省庁の官僚27名が正面に並んだ。南西諸島住民が福島みずほ参院議員とともに相対し、市民が後ろから声援を送り続けた。国際人道法の軍事目標解釈や国民保護法の住民避難計画など交渉ポイントと、宮古島、石垣島、奄美大島、与那国島それぞれの追及点について、細かな文字がぎっしり詰まったA3判両面印刷の資料が配布された。

 「米軍嘉手納基地でも平時なら軍事目標にならない」と諸外国とは異なる国際法の解釈を平然と語る外務省。宮古島市長が「5万人もの住民避難計画などできない」と公言しているにもかかわらず、「避難計画がなくても抑止力のため自衛隊配備は必要」と繰り返す防衛省。オスプレイ配備・運用については「現在の計画にはありません」―。国会審議で質問にまともに答えない政府閣僚と重なる。福島議員や住民らは何度も何度も問いただし、参加した市民からも怒りの声が上がる。

 司会をしたのは、1月の宮古島市議補選で初当選したばかり石嶺かおりさんだ。政府答弁のひどさに怒りを持ちつつも、初めての本格的な交渉と議員会館に駆けつけた本土側の声援に手応えを感じた。「決してあきらめない。宮古の平和な未来と命の水を子どもたちに手渡したい」と公約で掲げた決意を集会でも述べた。辺野古の闘いと同じだ。

 4月末には、東京と大阪で石嶺かおりさんをゲストに講演集会を開催することも決まった。日米両政府による対中国海峡封鎖戦略としての南西諸島自衛隊配備と辺野古新基地建設はつながっている。この問題を夏の全交でも取り上げたい。      (N)

ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS