2017年04月14日 1473号

【2017春の子ども全交 子育て分かち合うつながりを】

フィリピンの子も共に 「みんなでなら」の子全へ おおさか

 3月25〜26日、2017子ども全交inおおさかには、フィリピン・ABAKADA(アバカダカユマンギ地域発展基金、貧困地域の教育施設)卒業生のジョンくん(10歳)とジョナルド先生(24歳)、東日本から避難している親子5組を含めて60名が集いました。

 飛行機遅延のトラブルで体調を崩してしまったジョン君。でも、自由時間に男子グループと野球。エンディングの頃には頭を寄せ合ってカードゲームを一緒にするようになっていました。言葉はわからなくても、子どもは遊びを通じて仲よくなっていきます。

 「きのうと今日、新しい友だちができてよかった。来年も来たいし、夏のキャンプも行きたい」(避難者9歳)。初参加した避難者の感想には「全体的にとても楽しくあたたかい雰囲気で参加してよかった」とありました。

 乳幼児親子16人による冒険ごっこは楽しく盛り上がりました。前夜の準備作業は子どものこと震災のこと、子育て交流の場にもなり、親たちも随分仲よくなりました。手作りだからこそ子どもと一緒に得られるワクワク感、子育てを分かち合うつながり。子育て真っ最中の親たちで今後も続けていけたらと思います。

 しかし、小さな子どもたちにも「愛国心」を植え付ける政策が進められ、ひとりひとりの尊厳や命がないがしろにされる社会状況があります。

 大人たちは、子どもの貧困や生きにくい社会を巡って話し合いました。学校や家で子どもたちはどうしているのか。重いものを抱えてはいないか。取り組みに元気に参加する子どものシグナルを丁寧に受け止め、共有することが必要。問題は社会的に解決していかねば。「ひとりぼっちじゃない」「みんなでなら」―そう思える子ども全交(子全)の活動にしたいと思います。

 子全総会では年間の総括方針を論議しました。子どもたちの未来が希望あるものにと願う仲間を増やし、楽しい取り組みを創りたいと思います。

(子ども全交関西実行委員長・松昌子)


群れるように遊び 交わる私の居場所 小田原

 3月18、19日の2日間、小田原子全を開催しました。4年目を迎える今年は、福島避難者の2人など子ども13人、高校、大学生を含む大人18人が参加しました。

 関東は、子どもの数は少なくなってきましたが、学齢前や小学校低学年から参加し、中学、高校へと子どもと親が共に育ちあうスタイルが継続されています。

 一番大切にしていることは、子ども同士が群れるように(団子のように)遊び交われるようにすることです。

 横浜市で避難者の子どもに対するいじめが大きな問題となりました。子どもも大人さえも地域や職場で孤立し、窮屈な人間関係の中で疲弊しがちです。子ども全交が子ども・大人ともに一番安心できる居場所だと実感できるように2日間思いっ切り遊び、語り、交わり、笑いあうことを何よりの目標としました。

 わんぱくランドでは、豊かな自然の中で初めて動物に触れ、大きな子が小さい子の面倒をみながらアスレチックを楽しみました。夜の宿では子ども同士が遅くまで「秘密の会議」で盛り上がったようです。「2日目もみんなでわんぱくランドで遊ぶ」ことを決定していました。

 大人の夜の交流会で、一昨年長男がいじめにあっていることを学校に抗議したと報告したKさんが「卒業を祝う会で長男が三線を皆の前で披露し、いじめた子ども達が後ろで一緒に踊ってくれた。子全に本当に支えられた」とスマホの映像を見せながら報告してくれました。これからも、育ちあう居場所としての子全を進めていきたいです。

(子ども全交関東事務局・河辺邦夫)

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