2017年04月14日 1473号

【「月桃の花」歌舞団 ガマ人間あらわる 大阪・枚方公演に250人 みんなでとりくんだ地域宣伝 新しい出会い、若者の共感も】

 3月19日、関西では9か月ぶりとなるミュージカル『ガマ人間あらわる』を大阪・枚方(ひらかた)市で公演しました。当日は2部制で、第1部には子どもエイサーや三線愛好会、琉球舞踊など地域の団体に参加していただきました。

 昨年8月から宣伝活動を開始。チラシの配布や各イベントへの折り込み、主要駅周辺での宣伝などを、実行委員会や地域の方々、ひらのキジムナーの子どもたちとお母さんも一緒に行いました。

 感動したのは子どもたちが率先してチラシを配布してくれたことです。毎週土曜日のエイサー練習が終わると子どもたちが「ミュージカルのチラシちょうだい」と声をかけてくれます。「何枚?」と聞くと「50枚くらい」。子どもたちが自宅周辺にポスティングしてくれていました。

 公演に向けて動き出しているときにも情勢は刻一刻と変化していきます。共謀罪法案が問題となり、沖縄県の高江では不当逮捕、福島県からの避難者への住宅支援打ち切りなど、実行委員メンバーも地域の人びもと怒りはピークに。「宣伝活動だけでなく署名行動も一緒にやろう!」との声が上がり、歌舞団と地域のみなさんが一つになって街頭宣伝活動を行いました。

 街頭宣伝では、エイサーを観ている人へのチケット販売もでき、見物しながら指笛で参加してくれたり、一緒に地方(じかた)を唄ってくれたりと盛り上がりました。

 2月に入り、チケット販売が達成できるだろうかと焦りを感じ、カレンダーを見るのが怖い時もありました。しかし、「1枚売れた!」「〇〇さんが3枚売ってくれた」の連絡が入ると、心の中で「よっしゃー!!」と叫んでいました。こうした努力の末、本番を迎えました。

〝私は生きる〟がよかった

 来場者数の予測はしていたものの「本当に来てくれるのか?」と不安に駆られ、第1部が始まって客席をみると、ほぼ満席。約250人の観客を迎えることができました。

 お客さんの反応も「元気が出た」「〝私は生きる〟というフレーズがよかった」「最後の歌がよかった」「生きぬくことを皆で考えぬいていく強い心をいただきました」とうれしい感想を続出です。

 特に、終演後ロビーで開催した「歌舞団かふぇ(若者交流会)」で、「働き方がしんどいというのは、個人の問題ではなく日本が抱えている問題なんだろうなと思った(31歳)」「日本の社会って〝あなたの感情はどうでもいい〟という。ミュージカルをみて〝自分のことを表現していいんだ〟〝自分のことをストレートに言っていいんだよ〟と言われている気がした」など、若者が普段考えていることをミュージカルの感想を交えて交流できました。

 新しい出会いもありました。チラシを受け取った方からお子さんが今回のミュージカルに出たいとお声がかかり、出演が実現しました。主役の方も初出演です。いままでのさまざまなことがつながり広がって花開きました。

(大阪・「月桃の花」歌舞団・若林利行)

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