2017年08月18・25日 1490号

【17ZENKO AKAY分科会 ドゥテルテ政権に軍事支援するな 真実を市民に広げ連帯】

 7月22〜24日、首都圏で開催されたフィリピン支援のAKAYピースコンサート。「真実を解き放つのが私たちの歌だ!」と、ABAKADA(貧困地域の就学前教育施設)代表の音楽家ポール・ガランさんは新曲『Hala ka=気をつけろ』で現在のフィリピン情勢を力強く歌い上げました。続く7月30日、ZENKO第7分科会の報告と論議では、フィリピンと日本の軍事協力が明らかになりました。

 ドゥテルテ政権が誕生して1年、軍事独裁政権の現状が浮き彫りになっています。「麻薬撲滅」と称した超法規的殺人(法の手続きを無視した処刑)は、貧しい市民が対象となり8千人もの犠牲者を出しています。背景にある貧困への対策は進めず、人権擁護団体を脅し、人権委員会を廃止しようとする始末です。

 南部ミンダナオでは、ドゥテルテは「テロとの戦い」を名目に米軍特殊部隊の軍事作戦参加を認め、戒厳令を宣言。5月、マラウィ市で空爆を開始しました。600人以上の市民や兵士、「テロリスト容疑者」が死亡。戦闘開始以降、26万4千人の住民、子どもが避難を余儀なくされています。

 この軍事独裁を米国とともに後押ししているのが、日本、中国、ロシア政府です。

 安倍政権は6月4日、スービック港に日本最大の海上自衛隊護衛艦「いずも」を寄港させ、大統領が歓迎式に。その前日、海上保安庁とフィリピン沿岸警備隊が共同訓練。5月には自衛隊が軍の医療能力向上支援を実施し、巡視船供与も来年で10隻に達します。安倍政権は軍事面のパートナーです。中国、ロシアも武器援助や軍艦寄港を行い、対テロを口実とした米・有志連合軍のイラクへの軍事介入と同じ構図となっています。

2月ピースフェスタへ

 ポールさんは「安倍政権に対し、ドゥテルテ政権への軍事的支援をやめさせ、『テロとの戦い』の名でアジアの人びとに恐怖の種をまき、生活を破壊し続ける軍国主義拡大をやめるよう迫ってほしい」と強く訴えました。

 ABAKADAは、貧困地域の子どもたちの教育・給食保障、青年・親たちの生計自立事業、ヘルスケア、平和開発プログラムを実施しています。私たちが呼びかけた沖縄新基地阻止などの署名も、親たちがグループでディスカッションしながら進めました。

 分科会では「安倍はドゥテルテ政権への軍事的支援をやめろ」の決議を上げました。

 2018年2月、マニラでABAKADA30周年ピースフェスタが行われます。真実を市民に草の根で広げ、その成功への歩みを平和と人権を求める闘いにしていくことを確認しあいました。

(フィリピンAKAYプロジェクトをともに創る会・古武家<こぶけ>育子)

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