2017年10月27日 1499号

【1499号主張 戦争・改憲許さぬ市民の審判を 安倍たおす団結まつりへ】

改憲推進か、阻止か

 森友・加計(かけ)学園問題でそこなわれた自らの権力基盤を再強化し改憲へ突き進むため、安倍が打って出た総選挙も終盤となった。

 小池東京都知事と前原代表による民進党解体、希望の党合流、野党共闘解体という非常事態。だが、戦争・改憲を踏み絵として議員を「選別」した希望の党の自滅は、運動の力とあいまって立憲民主党を生み出した。共産党、社民党、立憲民主党を柱に、改憲阻止へ向けた市民・野党共闘を再生させた。

 自民党の街頭演説では、消費税引き上げ反対を訴える市民のヤジに、二階幹事長が「黙れ」と怒鳴り散らす場面も見られた。7月都議選で、「安倍やめろ」に「こんな人たち」と応じた安倍と同じだ。どの世論調査でも内閣支持率は続落で不支持率が上回る。世論に耳を傾けず暴走する安倍の孤立は深まっている。

ヘリ墜落は戦争路線の帰結

 公示の翌10月11日、沖縄・高江に米軍ヘリCH53が墜落炎上した。酪農家の民有地で一歩間違えば大惨事だ。

 2016年、安倍政権は高江での住民の反対運動を警察力で弾圧、13〜14年建設の2つに加え、新たに4つのヘリパッド建設を強行した。現在では、米軍北部訓練場内に6つのヘリパッドが高江集落を包囲するように並び、朝から晩まで欠陥機が我が物顔で飛び回る。高江住民がヘリパッドの使用停止を求め続けたにもかかわらず、むしろ機能は強化された。政府は昨年12月、北部訓練場一部返還を「負担軽減」と大宣伝したが、このどこが負担軽減なのか。

 CH53は、2004年に沖縄国際大に墜落したのと同系列のヘリだ。航空評論家が「事故率はオスプレイを上回る」とする欠陥機が、朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)をターゲットとした軍事演習激化の中で起こした事故だ。

 機体の一部に使用されていた放射性物質ストロンチウム90が事故で周囲に飛散したことも明らかになった。骨に入り込んで白血病を引き起こす物質で、福島原発事故でも飛散したが、国による実態調査は今も行われていない。

 安倍はこれまで、核実験・ミサイル発射を続ける朝鮮の脅威をあおり立ててきた。だが、日本国内に「放射能」をばらまいたのは朝鮮ではなく米軍と福島原発だった。戦争・原発推進の安倍路線こそ脅威に他ならない。10月22日の総選挙は、市民の命を脅かす危険な安倍を退場させる絶好のチャンスだ。

闘い束ねる団結まつり

 街頭演説で「民進党時代になかった反応」(枝野代表)が現れたのは、戦争・改憲・貧困・原発反対の意思を鮮明にして闘う勢力を市民が切実に求めていることを示している。市民・野党共闘は、改憲勢力による解体策動を許さず、運動の中から再建された。戦争・改憲反対を鮮明に闘い続け、安倍を退場に追い込み改憲を阻止しなければならない。

 県民挙げて安倍の戦争路線と対決する沖縄から、とりわけ南西諸島軍拡との闘いの先頭に立つ宮古島の楚南有香子さんらをゲストに招き、今年も団結まつり(10月29日東京、11月5日大阪)が開かれる。安倍の戦争・貧困・原発路線に反対し、総選挙に結集したすべての闘いを束ね、大きく成功させよう。

   (10月15日)

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