2018年01月05・12日 1509号

【数字で介護から「卒業」させないで/小規模事業所の報酬引き上げを/ZENKO厚労省要請行動】

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)中央要請行動(12/18)では厚生労働省に、(1)小規模通所介護事業所の存続・育成のための報酬単価引き上げ(2)介護度を指標とする自治体への交付金傾斜配分の撤回(3)介護報酬に頼らない公費での介護職の賃金保障、の3点を求めた。

 厚労省は(1)について「来年度の報酬改定に向け、自立支援・重度化防止の観点から、介護事業者の経営実態や保険料の国民負担、介護保険財政に与える影響を踏まえて検討中」、(2)には「指標は完成していない。社会保障審議会の部会で案を議論しているところ」、(3)には「19年10月予定の消費税引き上げに伴う改定で、さらなる処遇改善へしっかり対応する」と答えた。

 熱意のない回答に対し、介護現場の実態が次々ぶつけられた。「介護する家族は共働き。夜7時まで見てほしい、昼から見てほしい、等さまざまな事情がある。小規模事業所はそこを保障している。緊急の泊まりも受け、濃いケアをし、喜ばれている」「デイサービスには、家族を支える役割、ADL(日常生活動作)の改善だけでなく在宅で生活を継続するための援助を行う役割がある」「自立支援で介護から“元気に卒業しましょう”みたいな雰囲気になっている」

 厚労省職員は「財務省の資料と厚労省の視点は別」「重度化防止は主眼ではあるが、それ以外の取り組みも大事」「指標案には介護度ばかりが書かれているわけではない」「卒業という言葉は厚労省としては使っていない」といった言い訳に終始。要請参加者からは「今年3回目の要請だが、その度に対応する職員が違う」「このままでは介護労働者が追い込まれて悲惨な事件が起きる」と強い不満の声が聞かれた。

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