2018年01月26日 1511号

【抗議開始から1年 東京MX前で"人間の鎖"/沖縄ヘイト放送を訂正・謝罪せよ】

 東京MXテレビの番組「ニュース女子」が沖縄の基地建設反対運動を「過激派が救急車を止めた」「テロリストみたい」などとウソとデマで侮辱し、偏見をあおった問題。昨年1月12日に始まってから30回目となる抗議行動が1月11日、東京・麹町の同本社前で繰り広げられた。

 行動に先立ち、「重大な放送倫理違反があった」とする放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会の意見(12/14)を受けて東京MXが発表したコメントに関連して、「どう考査体制を見直し再発防止に努めるのか、公共の電波を預かる企業として説明責任を果たすこと」を求める申し入れ書を提出しようとしたが、MX側は「個別には対応できない」と文書の受け取りさえ拒否。

 一方、歓迎すべき動きとして、民放労連MXテレビ労組は12月27日、BPOの意見を受け「会社としての見解と今後の対応を社員に対して説明する」よう申し入れた。抗議行動では新たに作った「MX労組がんばれ」のバナーを掲げ、『MX労組応援歌』を歌ってMX社員の良心に訴えかけた。

スタートは20人から

 「沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない市民有志」の川名真理さんが1年の歩みを振り返る。「20人からスタートし、全部で2000人を超えるみなさんが参加してくださった。市民みんなが主催者という気持ちで続けている。この問題を知らない人に伝えたい、と新宿や(番組制作会社の親会社)DHCの大きな宣伝ビジョンがある渋谷スクランブル交差点をデモした」

 2002年、神奈川県横須賀市で米兵によるレイプの被害を受けたオーストラリア人キャサリン・ジェーン・フィッシャーさんがマイクをとる。「米兵は不起訴となり、刑事裁判はできず。民事裁判中、帰国した加害者を日本に連れ戻してほしいと求めたが、『日米地位協定があるからできない』。地位協定16条に『日本の法律を尊重』とあるが、『尊重』ではなく『従え』と書かないと分からない。私はずっと地位協定を変えなきゃいけないと思っている」と話し、「真実を報道しないマスコミは日本の恥。真実は必ず出てくる。あきらめないで頑張って」と励ました。

 行動ではこの後、獅子舞や辺野古でも披露された『ソーラン節』などの歌と踊りも登場。人間の鎖でMX本社社屋をL字型に囲み、ウェーブを巻き起こす。「MXは良心見せて」「ヘイトをするより愛がいい」「愛ある社会を未来につなごう」のコールがぶつけられた。

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