2019年06月07日 1578号

【1578号主張 戦争を阻む沖縄・韓国の闘い 市民の力で東アジア平和を】

戦争屋の危険な動き

 東アジア、世界の平和への流れに逆行する戦争屋たちの危険な動きが続いている。

 5月25日、米トランプ大統領がボルトン国家安全保障担当補佐官らとともに来日した。米国は今、空母をペルシャ湾に派遣しイランに軍事挑発。朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に対しては貨物船を拘留し圧力をかけている。このトランプと安倍が、空母化しF35B搭載を予定するいずも型護衛艦「かが」に乗り、日米軍事一体化をうたいあげる。

 安倍は、憲法9条改悪や緊急事態条項を含め、参院選で改憲を訴えると述べた。自民党幹部は、改憲を争点にした衆参同日選挙をも示唆する。トランプ来日、G20を利用して「高支持率」を演出し、衆参同日選も展望しながら改憲発議に必要な3分の2以上の議席確保をめざそうとしている。日米軍事同盟による戦争=集団的自衛権行使を合憲化し、首相への独裁権限集中で実行することが狙いだ。

沖縄の闘いとともに

 改憲策動と連動し、自衛隊の海外出撃拠点となる沖縄辺野古新基地建設へ埋め立て工事が強行されている。

 しかし、市民は工事に反対してシュワブゲート前や本部(もとぶ)港での座り込み、カヌー隊による海上抗議などで粘り強く闘っている。2月の県民投票に示されたように、沖縄の民意は辺野古新基地ノーだ。民意を背に、県は、知事の埋め立て承認撤回を取り消した国交相の決定は違法として、国地方係争処理委員会に申し立てている。5月25日には、この沖縄の闘いに連帯して辺野古新基地建設と9条改憲に反対する行動が全国38か所で取り組まれた。国会前では5千人が声を上げた。

 また、9条改憲NO!3000万人署名は全国で1700万筆以上集約されている。5月18〜19日のテレビ朝日世論調査では、「戦争の放棄を定めた9条改正に賛成か、反対か」に対して「反対」38%「どちらかといえば反対」22%と、9条改憲反対は60%にのぼった。こうした中で、5月23日予定の憲法審査会も強行開催はできなかった。

 安倍政権の進める辺野古新基地建設、改憲策動は決して支持されていない。

日韓連帯で安倍打倒へ

 平和・軍縮をつくり出す原動力は市民の運動だ。

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は6月1〜9日、「武器なき平和のための2019スピーキングツアー」を行う。沖縄から辺野古新基地阻止の運動を担う奥間政則さん、韓国から済州(チェジュ)島の軍事基地撤去運動を闘い抜くノ・ミンギュさんが参加する。ソソンリのサード(高高度迎撃ミサイル)撤去や済州第2空港建設阻止など韓国の闘いは、日米・韓米軍事同盟下の軍拡と戦争に反対し、東アジアの平和を切り開く。沖縄と共通する重要な闘いであり、日韓民衆連帯の意義は大きい。

 全国スピーキングツアーを多くの市民の参加で成功させよう。9条改憲NO!3000万人署名、辺野古新基地反対署名をさらに広げよう。あらゆる闘いを束ねて改憲反対の圧倒的世論を形成し、安倍政権を退場させよう。これが、改憲と戦争を許さず、東アジアの平和をつくり出す私たち市民の対案だ。

   (5月26日)
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