2019年06月07日 1578号

【東京・足立区議選 唯一の市民派議席 死守/土屋のりこさん3356票で再選/安倍政権の横暴から暮らしを守る/税金は人間のために使え】

 東京都足立区議選(定数45、立候補57人)が5月26日投票、27日開票された。2期目をめざしていた土屋のりこさんは3356票を獲得し、42位で当選。ただ一つの市民派議席を激戦の末に守りぬいた。

 開票は午前9時に始まり、10時45分の最初の選管発表で土屋さんは600票。一方、開票を現場で参観する支援者から、土屋票は2100を超え、10位ぐらいかとの情報が入った。選挙事務所では「上位当選だ」と気の早いつぶやきも聞かれた。

 ところが、正午を過ぎると自公・共産各候補の地盤の票が開いてきたせいか、開票所から「追い上げられている」「やばいかも」「残る3議席を土屋さんら4人が争う」といった気をもませる情報が相次ぐ。選管の速報ホームページはなかなか更新されない。エアコンがない事務所内は体にからみつく暑さの中、ジリジリと時間が過ぎていく。

 そして、午後2時半。ついに「3356票、42位、当選確定」の知らせが届いた。拍手とハイタッチで喜びを分かち合う支援者たち。「よかったぁー」「疲れました」「前回(5077票、13位)から1700票以上減か」「いや、13位だろうが42位だろうが議席の値打ちは変わらないよ」。そんな言葉を交わしながら、電話やメールで朗報を拡散した。

 午後7時からは、土屋さん本人も加わって祝勝会。「きょうはドキドキしたが、最下位はいやだったので何とか44位以上に入れてよかった。これまでご尽力、ご努力いただき、ありがとうございます」と安堵の表情で謝辞を述べる土屋さん。「3356票は実力票だと思う。前回は私のほかに若者・女性の候補が少なく風が吹いて得票できたが、今回の票が平和と民主主義を前進させようと集まる私たちの実力。言うべきことを妥協せず、迎合せずに言う―この路線を貫いていけば次回はもっと闘える」と手ごたえはたっぷりだ。

 選挙準備は1年前にスタート。前回は20万世帯にとどまったチラシのポスティングを足立区内33万全世帯に広げ、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)メンバーの協力を得てやりきった。週1回の朝立ちに加え、3月からは週3〜4日、駅やスーパー前での辻立ちを実行しながら、「どんなことをしゃべったら関心を持ってもらえるだろうか」と感触を確かめてきた。

 4月の統一地方選で「NHKから国民を守る党(N国)」が伸びた。土屋さんは「N国がシングルイシューで勝ったというなら、私は『安倍政治の横暴からあなたの暮らしを守る』のシングルイシューを打ち出すことにした。左翼の王道を堂々と行こう、と決めて選挙戦に臨んだ」。

 足立区内でも生活に困っている人たちの多い地域を重点的に回った。議員報酬半減を実践してきた実績、“暮らしのために税金を使え”と区に要求し施策として実現させてきた実績を伝えた。「今回は政策、中身で勝負した」。土屋さんは確信を込めて再選の勝因をあげる。

 支援者から祝福が続いた。開票状況を心配してこの日3度も選挙事務所にやって来た地元在住のNさん夫妻。「とにかく受かるのが必要だったから、言うことない。ただ次回は絶対これより増やしましょう」「前回楽勝したので今回も、と甘く考えて手抜きしたみたいです。4年後なんてすぐ。もっと頑張る」とみんなを笑わせる。週に何度もともに街頭に立ってきた郵政ユニオンのFさんは「前回は“新人だから入れてやろう”という票があった。今回がほんとの票。きょうからがほんとのスタート」と激励した。

 「この3356人の方たちとともにさらに大きな支持基盤を」「困りごとを受けとめ、個々の解決にとどまらず、調査し政策として実現していってほしい」「民主主義的社会主義のまちづくりへ“税金を人間に使う足立をめざす会”といった選挙母体をつくっては」「地域に深く入り、自公支配・新自由主義支配の足立を変革する対抗運動を」など2期目の活動に熱い期待と注文が寄せられた。



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