2019年06月21日 1580号

【朝鮮半島と日本に非核・平和を/障害は韓国・朝鮮敵視の安倍政権/日・韓・在日の市民が一堂に/6・7集会とデモ 6・8シンポジウム/269団体・個人が参加・賛同/若い世代は「歴史問題」に高い関心】

 「朝鮮半島と日本に非核・平和の確立を!」と6月7日、東京・日比谷野外音楽堂で集会が開かれた。「3・1朝鮮独立運動100(横に並べ全角1文字分に)周年キャンペーン」が呼びかけ、269団体・個人(6/3現在)が参加・賛同する「市民連帯行動実行委員会」が主催した。

 総がかり行動実行委の高田健さんが「韓国、朝鮮を敵視する安倍政権こそ東北アジア非核平和共生の障害物。本日は韓国の友人、在日朝鮮・韓国人の仲間、日本の市民が一堂に会する画期的な集会になった」と主催者あいさつ。

 韓国からのゲストが登壇する。「安倍政権の改憲阻止は市民革命に値する。世界では民主主義への裏切りに市民社会の反撃が始まっている。1兆円でアメリカの武器を買うより市民の福祉に投入を」と訴えたのは、東北アジア平和センター理事長のキム・ヨンホさん。民主労総副委員長のオム・ミギョンさんは「韓国も日本も、核兵器を2度使い最大の核兵器を保有する米国の前線基地になる理由はない。共に軍事的覇権と闘おう。すべての差別と抑圧を繰り返さない。トゥジェン(闘争)!」と励ました。

 来日した「ウリハッキョ(私たちの学校)と子どもたちを守る市民の会」メンバー40人がステージ前で紹介され、東京朝鮮中高級学校の生徒たちが授業料無償化をアピール。朝鮮民謡『アリラン』と童謡『赤とんぼ』を重ね合わせた演奏に惜しみない拍手が送られる。

 日本側スピーカーの一人、作家の北原みのりさんは「2015年12月の『慰安婦』問題日韓合意は韓国社会と日本社会の民主主義の力の圧倒的な差を浮き彫りに。合意に基づく『和解・癒やし財団』に対し韓国市民は『正義記憶財団』を設立した。被害者が求めるのは簡単な和解や癒やしではなく、正義と記憶の継承。今年1月、14歳で『慰安婦』にさせられた金福童(キムボクトン)ハルモニが亡くなった。葬儀の日、棺を持ち1000人以上の若者が日本大使館前へと行進する姿。前年、『私は人権活動家。91歳です』と自己紹介したハルモニのかっこよさ。目に焼き付いている。#MeToo(ミートゥー)運動の原点だ。韓国民主主義の根幹に『聞こえない声を聞く』『私たちはあなたを信じる』というフェミニズムがある」と話した。

 集会後、朝鮮高校無償化のバナーを先頭に銀座サウンドデモで市民にアピールした。

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 翌8日は、日・韓・在日の活動家・研究者7人をパネリストにシンポジウム。「植民地支配と過去清算」のテーマで発言した立命館大学の庵逧(あんざこ)由香さんは「“戦後最悪の日韓関係”と言われるが、日韓の人の往来は昨年、1千万人を超えた。私が教えている学生たちは“K-pop”世代。歴史問題にも高い関心を持ち始めている。年30人以上が韓国・朝鮮問題で卒業論文を書く。韓国語の能力も驚くほど。韓国の大学に入学し、卒業する学生は年間千人を超える」と、ここ10年で若い世代の意識が大きく変わってきていることを紹介した。



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