2019年07月12日 1583号

【脱原発株主提案9本をすべて否決/東電株主総会】

 東京電力ホールディングスの株主総会が6月26日、都内で開かれた。

 「脱原発・東電株主運動」の株主224人は9本の議案を提案した。「汚染水は海洋放出せず陸上で長期保管し、トリチウムを含む放射性核種の回収技術の開発に努める」「柏崎刈羽原発は、半径30`以内の自治体による避難弱者を対象にした実効性ある避難計画が策定されない限り、再稼動しない」「東海第二原発再稼働に向けた日本原電への資金支援は行わない」「多重下請け・日雇いを廃止し、労働者は直接雇用する」など。

 提案理由の説明に立った脱原発株主はいずれも、議案は9本一括ではなく個別に審議するよう求めたが、議長の川村隆会長(元日立製作所会長)は「まとめた方がより有機的な質疑ができる」としてこれを一蹴。株主には発言一人3分を厳守させ、少しでも超えるとマイクを切る挙に出ながら、自らは問われてもいないのに「日本のエネルギー自給率は4%。こんな国は他にない」など延々と原発推進論をぶちあげるという非民主的な議事運営に終始した。

 株主からは「横浜の保育園で園児2人が白血病、と報道された。どういうことか」との質問もあったが、経営陣の回答はなかった。

 9本の株主提案は次々に否決され、総会はわずか3時間5分で終了した。 
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