2019年07月19日 1584号

【1584号主張 改憲・戦争・増税の安倍に審判を 参院選勝利、2019ZENKOへ】

6・30第3回米朝会談

 6月30日、トランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮国務委員長が板門店(パンムンジョム)で3度目の会談を行った。トランプは軍事境界線を越え、現職米大統領として初めて朝鮮領内に足を踏み入れた。両者は朝鮮半島非核化に向けた実務者協議を再開させることで一致した。2月米朝会談は好戦勢力の妨害で合意ができなかったが、民衆の声と国際世論を背に朝鮮半島の平和への流れは続いている。

 一方で、トランプはイランへの戦争挑発を続け、イランも対抗措置を打ち出す。大阪で開かれたG20会合は緊張緩和へ有効な対応もできないまま終了した。グローバル資本の代弁者としてパワーゲームを繰り広げる各国首脳らに世界をゆだねるわけにいかない。東アジア、世界の平和への動きは市民の国際連帯と運動で作り出すものだ。

東アジア平和に背を向ける

 朝鮮半島非核化への6か国協議当事国で、東アジア平和の進展に背を向けているのが安倍政権だ。参院選前日の党首討論で、安倍は「自衛隊の存在を憲法に明確に位置づける」と改憲への執念をあらわにした。支持基盤である右翼層にアピールするため、徴用工問題を利用して韓国への半導体材料の輸出規制(経済制裁)に踏み切るなど、韓国との対立を煽り立てている。

 G20では大阪城のエレベーター設置を「誤りだった」と発言。障がい者を公共施設から公然と排除する人権感覚の欠如を世界にさらけ出した。人間を生産性の有無で選別し、生産性のない人≠ニして切り捨てる安倍の新自由主義思想が根底にある。

 安倍は、消費税率引き上げも10月に予定通り強行することを公言する。市民生活を破壊し、平和と人権に背を向け、戦争国家作りをめざす安倍政権に引導を渡すことこそ参院選最大の争点である。

 安倍は、政権を忖度(そんたく)する大手メディアと一体で改憲・増税を問う参院選自体の焦点化を避け、「自公過半数維持」(各紙世論調査)と市民のあきらめを狙う。悪政に不満を持ち憤る無党派層の棄権を誘い、組織票で政権を維持し改憲につなげる青写真を描く。

改憲派3分の2阻む行動を

 だが、市民と立憲野党の13項目の共通政策が成立し、すべての1人区で野党統一候補が生まれている。この野党共闘の飛躍的強化のためには、改憲・差別・貧困・原発と闘うあらゆる市民が共闘候補への支持を広げ、当選させるための具体的行動に立ち上がることが決定的に重要だ。改憲勢力の3分の2割れを実現し、改憲発議不可能に追い込めば安倍退陣も現実のものとなる。

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は7月26〜28日、2019ZENKOin東京を開催する。メディケア・フォー・オール(すべての人に公的医療保険を)など根本的変革政策を掲げるDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)ビル・イェィツ国際委員、文在寅(ムンジェイン)政権のサード(高高度迎撃ミサイル)配備と闘う韓国・代案文化連帯をはじめイラク、フィリピン、沖縄などから代表を迎える。戦争政策・差別・貧困と真っ向から対決する人びとと市民の国際連帯を深め、闘う方針を確立する討議が行われる。参院選勝利とZENKOin東京成功で世界から好戦勢力を追放しよう。

   (7月8日)
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