2019年07月19日 1584号【辺野古は参院選の全国争点 タカラ、仲村候補が奮闘 基地工事はカネまみれだ】 |
ゲート前も参院選勝利へ参院選が７月４日公示された。沖縄・名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前では、「今度の選挙は、辺野古新基地建設が初めて全国課題として争点になった。選挙で勝利して安倍政権を打倒しよう」と口々に語られる。立憲野党勢力が合意した「だれもが自分らしく暮らせる明日へ」13項目の４番目に辺野古新基地建設即時中止、普天間基地撤去、地位協定改定などが明記された。（注）。立憲、国民、共産、社民らがそろって、初めて安倍政権・自公相手に辺野古反対で勝負する参院選となった。だからこそ勝たなければならない。 ６月25日、沖縄県議会でも玉城デニー知事は「沖縄選挙区、比例代表で（翁長雄志前沖縄県知事がオール沖縄で進めた）建白書を貫くという私と志を同じくする方が出馬を表明し、心強く感じる。辺野古新基地建設が最大の争点と考えており、計画断念に向け全身全霊で取り組む」と参院選への強い決意を示した。 沖縄選挙区では、琉球大学名誉教授の無所属新人タカラ鉄美さんがオール沖縄の推す候補として立候補した。タカラ候補は、政策に「建白書の理念を守り、普天間飛行場の閉鎖・撤去、辺野古新基地建設断念を求める」と明確にし、「宮古・八重山への自衛隊配備に反対」と南西諸島への自衛隊ミサイル部隊反対を打ち出した初の統一候補となった。 比例代表では、県出身で社民党元県議の仲村みおさんが立候補した。２人の必勝をめざして、辺野古ゲート前をはじめ宮古や石垣でミサイル部隊に反対する市民たちも活発な運動をスタートさせた。 自民議員のゼネコン汚職辺野古争点の参院選開始直前、またも自民党議員による収賄疑惑が浮上した。２０１７年10月衆院選期間中、沖縄選挙区の自民党３議員の政党支部が、辺野古護岸工事などを受注する総合建設業の太名嘉組（浦添市）から計60万円の献金を受け取っていたことが６月25日わかった。 ３議員は、沖縄４区の西銘（にしめ）恒三郎、１区の国場（こくば）幸之助、２区の宮崎政久。西銘は選挙区で当選したが、国場は比例復活当選、宮崎は落選。昨年現職議員死去による繰り上げで当選となったばかりだ。請負業者等の寄付を禁じる公職選挙法１９９条（特定の寄付の禁止）に抵触している可能性が高い。自民党議員と新基地建設がらみのゼネコン汚職だ。参院選で、こうした自民党が推す候補に議席を与えることは許されない。 琉球セメントに違法便宜辺野古の埋め立てに使用されている岩ズリ（土砂）価格で「官製談合」の疑いが急浮上している。沖縄平和市民連絡会・北上田毅さんの情報公開請求によれば、沖縄防衛局の17年11月入札公告時の「設計図書」は、岩ズリ価格調査前に１立方㍍当たりの単価を５３７０円としていた。同年12月から18年１月までに実施された岩ズリ価格の見積もり調査では、依頼した13社のうち12社が回答せず、唯一回答した１社は５３７０円。「設計図書」と同額だった。当時の岩ズリ価格相場は２９００～３５５０円で、市場単価の１・５～１・８倍もの高額で契約している。 受注業者の名称は公表されていないが、国会答弁などで、現在辺野古の土砂搬入に使用している安和桟橋を提供する琉球セメントであることが判明している。琉球セメントの上部企業は、山口県の宇部興産で安倍ファミリーと密接につながっている。 つまりシナリオはこうだ。本部町塩川港の埠頭が台風の影響で損壊し、土砂の海上搬出に使用できなくなったため急きょ、名護市の琉球セメント安和桟橋を使用することになった。そのために沖縄防衛局が琉球セメントに便宜を図り、圧力をかけて見積もりから他の12社を排除し、同社だけに予定価格の５３７０円で回答させた疑いだ。相場との差額は総額45億円にもなる。 岩屋毅防衛相は６月25日、「問題はなかった」と述べたが、国が行うこうした事業で１社だけの見積もりはありえない。防衛省自身の「土木工事積算価格算定要領」にある「３社以上から見積もりを徴収する」に反し他の12社が自ら外れることも考えられない。 平和と民主主義をめざす全国交歓会（ＺＥＮＫＯ）がＺＥＮＫＯin東京前日の７月26日に予定している防衛省交渉でも、この点について追及が行われる予定だ。どこまでも汚れたカネにまみれた辺野古新基地工事を防衛省交渉で追及し、参院選で安倍政権を打倒しよう。 （Ｎ） （注）沖縄県名護市辺野古における新基地建設を直ちに中止し、環境の回復を行うこと。さらに、普天間基地の早期返還を実現し、撤去を進めること。日米地位協定を改定し、沖縄県民の人権を守ること。また、国の補助金を使った沖縄県下の自治体に対する操作、分断を止めること。   |