2019年07月26日 1585号

【1585号主張 国際連帯の2019ZENKOへ 自衛隊のイラン派兵許すな】

イランへの戦争挑発

 7月9日、米軍のダンフォード統合参謀本部議長は、中東のホルムズ海峡防衛のためとして「有志連合」の結成を目指す方針を発表した。その際、「航行の自由を守るために軍による連合をつくれないか、多くの国と協議している。各国はシーレーン防衛に国益がある」と述べ、協力を呼びかけた。

 イランとの現在の緊張激化はトランプ政権が仕掛けたものだ。2018年5月、トランプ政権はイラン核合意から一方的に離脱し、イラン制裁を実行してきた。今年6月に日本などのタンカーがホルムズ海峡付近で攻撃された際、トランプはイランの攻撃と決めつけて中東へ1000人を増派し、制裁を強化した。しかし、タンカーへの攻撃を行った主体や攻撃方法についての解明は進まず、米国への国際的な支持は全く広がっていない。こうした中で、イギリスはトランプ政権に呼応して、イランのタンカーを拿捕(だほ)し、イランもウラン濃縮など危険な対抗措置をエスカレートさせている。

 ウソに始まり莫大な市民を犠牲にしたイラク戦争の再現は許されない。「有志連合」による軍事侵攻阻止へただちに声を上げなければならない。

軍事費削り貧困なくす

 アメリカ主導の有志連合結成に向けた動きを受けて7月11日、自衛隊の山崎統合幕僚長は「関係諸国で情報をやりとりしながら情勢を注視。日米間でさまざまなやりとりをしている」と述べた。戦争法の下で、安倍政権は米軍と一体となった集団的自衛権の行使を狙っている。海上警備行動や海賊対処という名目で自衛隊のホルムズ海峡派兵の機会をうかがう。憲法を破壊する自衛隊の派兵も武力行使も断じて許してはならない。

 安倍政権の下で軍事費は毎年大増強されてきた。自衛隊は、実質的な空母「いずも」、攻撃戦闘機F35などによって装備を格段に強化し、世界中どこにでも展開できる軍事力を持っている。他方、生活保護費など社会保障費は削減が続いてきた。

 今必要なのは、軍事費を削って社会保障費や教育費を増額し、貧困をなくすことだ。消費税増税ではなく、アベノミクスの下で肥え太ってきた富裕層や巨額の内部留保を蓄積した大企業への課税を強化し、富の再配分を行うことだ。朝日新聞世論調査(7/15)でも、年金など老後不安に対する安倍政権の取り組みを「評価しない」が62%に上り、社会保障の抜本的拡充は急務だ。また、最低賃金1500円実現、正規雇用拡大で8時間普通に働けば暮らせる社会にすることで、内需は増大し、貧困・格差の解消につながる。

 改憲・軍拡をやめ、税を市民生活に回せ。これこそ参院選の最重要争点だ。

根本的な社会変革へ

 根本的な政策転換のために必要なのは市民の運動の力だ。様々な分野の運動が結集して7月26〜28日、2019ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)in東京が開催される。DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)の代表をはじめ、韓国・沖縄など国内外から多くの闘う市民が参加する。平和と民主主義に貫かれた社会への変革に向けた方針を討議し、展望を共有する場となる。ともに成功させよう。

   (7月15日)
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