2019年09月13日 1591号

【朝鮮高校無償化裁判 東京・大阪とも上告棄却/最高裁が不当決定/政府のレイシズムにお墨付き/文科省前で路上記者会見&緊急集会】

 東京と大阪の朝鮮高校「無償化」裁判で最高裁は8月27日、上告棄却を決定した。決定はわずか1ページ。具体的な理由は何ら述べられていない。政府による在日コリアンの子どもたちへのレイシズム、ヘイトクライムに司法がお墨付きを与えた。

 30日、定例の文部科学省前金曜行動と合わせて路上記者会見と緊急集会が行われた。

 東京裁判の61人の原告の1人、梁昌樹(リャンチャンス)さんは「なぜいまだに高校生たちがこんなにも苦しい思いをしなければいけないのか。民族教育で学べる自分たちのアイデンティティが日本政府によって汚され、一体どう生きていけばいいのかと矛盾と葛藤を抱えながら今も生きている」と語る。「最高裁不当決定を断固拒否し、徹底的に最後まで勝つまで闘うことをここに約束します」と決意を述べたのは、朝鮮大学校学生の殷成暉(ウンソンヒ)さん。

 東京朝鮮中高級学校高級部3年の男子生徒は「この6年間、どれだけ汗水を、涙を流して闘ってきたか。そのすべてがたった3行で踏みにじられた。私たちの叫び声は一体誰に届いたのだろう。10月から始まる幼保無償化でもまたもや朝鮮幼稚園は対象外。こんな差別は全く納得がいかない」と憤る。オモニ会の韓和美(ハンファミ)会長は「高3の生徒たちは高1の時は地裁の不当判決、高2の時は高裁の不当判決―高校の3年間、敗訴という差別を感じながら過ごしてきた子どもたちがかわいそうでならない」と涙を浮かべた。

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