2019年09月20日 1592号

【東電刑事裁判 必ず有罪判決かちとる 1都6県キャラバン 判決直前大集会開く】

 東京電力旧経営陣3人に対する判決言い渡しの日が間近に迫った。

 福島原発刑事訴訟支援団のキャラバンは9月1日、福島県郡山市を出発し、関東1都6県の各地で宣伝行動を繰り広げた。6日の東電本店前行動では佐藤和良団長が「2度の検察庁の不起訴にもめげず都民11人からなる東京検察審査会の賢明な判断によって強制起訴にこぎつけた歴史的な裁判。37回の公判を通じて多くの証拠が積み上げられ、被告3人の津波対策先送りが事故を引き起こしたことがはっきりした。何としても有罪をかちとるため、福島原発の電気をお使いになっていた関東のみなさまもぜひ、ともに闘ってほしい」とアピール。

 告訴人らは次々マイクをとり、「放射性物質を扱う原子力発電で『津波が明日起きるとは思わなかった。責任はない』という態度は許されない」「被告は裁判長には頭を下げたが、下げる相手はこっちだろうと腹立たしさと悔しさでいっぱい」「保険会社に知り合いは、がん保険の支払いが半端じゃないと言う。まだまだ被害は出る」「東海第2原発・女川原発はきちんと津波対策をしていて間一髪、危機を免れた」と訴える。

 支援団の地脇美和事務局長が公判での双葉病院職員の陳述を朗読。過酷な避難の中で多くの患者が命を奪われていった惨状を明らかにし、「絶対有罪になると考えている。東電のみなさん、心して待っていてください」と本店ビルに向かい声をぶつけた。

事実解明した刑事裁判

 8日には都内で判決直前大集会を開催。定員470人の会場は埋め尽くされた。

 弁護団からは「この刑事裁判をやれたこと自身に非常に大きな意味がある。いま明らかになっている事実は告訴した当時は分からなかった。山下(和彦・東電地震センター長)調書も見ることはできなかった」(海渡雄一弁護士)「検察官役指定弁護士が能力ある人権派の刑事弁護士だったことが幸いした。しかし、闘いは道半ば。最終目標は日本中の原発をすべてなくすことだ」(河合弘之弁護士)と本裁判の意義を強調。

 リレースピーチで、いわき市の木村亜衣さんは「事故さえなければ娘は友達と海に行き、その日その場所でしか作れなかった楽しい時間を過ごしたはず。これだけの事故を起こしながら、なぜ東電旧経営陣の方々は罪を認めることができないのだろう」、郡山市在住の女性は「子どもの保養を通じて、福島県に心を寄せてくださるたくさんの方と出会った。福島県で子育てをし、働き、暮らし続けることを選んだ私にできるのは、手を差し伸べてくださる方々とつながり、現在進行形で続く原発事故の影響から宝である子どもたちを守るために声を上げること」と福島からの想いを伝えた。

9月19日(木)

11:00頃〜東京地裁前行動

12:00頃 傍聴券抽選(抽選時刻は1週間前頃に裁判所HPで発表)

13:15 判決言い渡し(104号法廷)

判決後 裁判報告会(弁護士会館=東京地裁となり=2階 講堂クレオBC)]



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