2021年10月01日 1692号

【1692号主張 戦争と新自由主義に終止符を 地域から市民と野党共闘で】

看板かけ替え許さない

 テレビをはじめマスコミの自民党総裁選報道がメディアジャックともいえる異常な様相となっている。菅政権が市民の怒りと世論によって打倒され、危機感を抱いた自民党が支持率回復のために仕掛けた演出だ。

 衆院選に向けて選挙の顔をかえる戦略だが、立候補者はすべて安倍・菅政権を支えてきた閣僚経験者。誰が総裁、首相になっても、安倍・菅の改憲・戦争、新自由主義路線を継承する。国会も開かず、コロナ対策放ったらかしで権力闘争に明け暮れる自民党―自公政権を総選挙で必ず打ち倒さなければならない。

命守る根本的転換を

 総裁選報道の陰で、新型コロナ感染の危機は深まっている。

 「自宅療養」の名で医療施設に入れず自宅に放置されている新型コロナ陽性者は、いまだ全国6万人にのぼる(9/15現在)。自宅放置された患者の容態が急変し命を落とす痛ましいケースが後を絶たない。昨年3月から今年8月までの間に、自宅、高齢者施設、宿泊施設など医療機関以外で亡くなった新型コロナ陽性者は警察庁発表で817人。特に今年8月の1か月間は、過去最多の250人だ。

 都道府県には、医療機関が不足している場合、臨時の医療施設を開設し医療提供する義務がある(新型コロナ特措法第31条の2)。自宅放置は違法なのである。自治体は今すぐ必要な規模の医療施設を整備し、すべての患者に適切な医療を提供して命を救わなければならない。そのために、国は財政的、人的支援を行わなければならない。

 財源はある。国は昨年度予算を30兆円繰り越した。今年度のコロナ関連予備費も2・5兆円残っている。5兆円もの軍事予算もコロナ対策に回すべきだ。必要な財政出動を今こそ行い、臨時の医療施設開設をはじめ、検査拡充、休業・生活補償など、命とくらしを守るための新型コロナ対策を実行しなければならない。

共闘求める地域の運動で

 安倍政権による戦争法強行成立から丸6年。市民・労働者が国会を取り囲み、夜を徹して叫んだ「野党は共闘」の声は市民連合を生み出し、47都道府県187団体のネットワークに広がった。今回、総選挙としては初めて市民と野党の政策協定が結ばれ、共闘の陣形をつくりだしている。政策協定に加わっていない国民民主党への働きかけも続いている。

 4月以降、一連の衆参補選・再選挙、日野市長選、都議選、横浜市長選などで市民と野党の共闘の効果は明らかだ。政党任せにせず、市民が主体的に運動し、すべての小選挙区での候補者統一と当選を勝ち取ろう。政権交代で安倍・菅政治に終止符を打ち、命とくらし、人権を守る社会をつくりだそう。

  (9月19日)
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