2021年10月01日 1692号

【衆院選をジェンダ―平等実現のチャンスに/アフガン女性の権利守る国際行動も/OPEN総会】

 世界で日本だけ。夫婦が同じ姓を名乗ることを法律で義務付けている夫婦同姓制度だ。女性が不利益を被ることが多いだけに、国連女性差別撤廃委員会はたびたび、法改正を勧告してきた。大きな政治課題だ。

 女性団体「平和と平等を拓く女たちの絆」(OPEN)は9月17日に開いた総会にあわせ、「選択的夫婦別姓制度」の学習の場をもった。間近に迫る衆議院選挙の争点のひとつに押し上げていく方針だ。

 自民党は「選択的夫婦別姓」には否定的だ。総裁選候補者4名のうち高市早苗以外は「賛成」の立場を表明している。とはいえ、元総裁安倍晋三を支持する神道政治連盟は「別姓推進派の狙いは家族を破壊し、個人のみを中心とする社会へ変えていくこと」と「家制度」維持を主張。安倍の直系をウリにする高市は「婚姻前の氏の通称使用拡大」でお茶を濁そうとしている。

 OPEN代表の山本よし子さんは「社会の中にある男性優先の結婚・家族制度を変えていくことが必要」と主張。「総選挙はジェンダー平等を進めるチャンス」と訴えた。

 OPENでは、選択的夫婦別姓制度の実現だけでなく、性的少数者の権利を守るLGBT平等法制定や権利侵害の通報権を定めた女性差別撤廃条約選択議定書の批准を運動の方針とした。選択議定書批准は、市民と野党共闘の共通政策を補強するものとして、共同行動の強化にも取り組む。

 衆院選では女性候補の選出も課題だ。OPENは山本さんを茨木市議会議員に送り出した。ジェンダー平等を掲げる候補の当選をめざすのも重要な方針だ。

9・25全世界行動へ

 女性の権利侵害に抗議する国際的な連帯行動も提起された。イスラム主義勢力タリバン支配が復活したアフガニスタンで、女性への暴力や嫌がらせが公然化している。アフガニスタン女性革命協会(RAWA)が9月25日、抑圧された女性のために世界で声を上げる街頭行動を呼びかけている。

 OPENは、「RAWAと連帯する会」、フィリピンの子どもたちを支援する団体「AKAY」と共同で、「サイレントスタンディング」行動(JR大阪駅前13時から)に取り組む。連帯する会事務局長の桐生佳子さんは「マスコミの注目度は非常に高い。多くの参加を期待したい」と呼びかけた。連帯する会では、9月24日にも共同代表の清末愛砂さんと前田朗さんのトークイベントを行う。



 
MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS