2022年12月09日 1751号

【ZENKO反原発政府要請行動 避難者の人権守り住宅確保へ あきらめることなく要請続ける】

 ZENKO反原発実行委員会の呼びかけによる、避難者の住宅確保、話し合いによる解決を求める財務省・復興庁要請行動が11月22日、復興庁会議室で行われた。「住まいの権利裁判を支援する会」の共同代表や「住宅追い出しを許さない会」の原告らも参加し、復興庁被災者支援班参事官補佐、財務省国有財産調整課課長補佐らと1時間にわたってやり取りした。

 国家公務員宿舎の家主である財務省に、直接避難者の状況を聞く場を設定するよう求めたが「宿舎は財務省が福島県に使用許可を与えている(避難者に直接与えていない)ので、県と避難者との問題」と、相変わらず福島県任せの逃げの姿勢。これに対し、7月に亡くなった避難当事者(40代男性)の例を挙げた。昨年末、県職員が勝手に男性の福島の実家を訪問し、理由のわからない母親に息子の退去と損害賠償金支払いを促した。「男性は『母親には心配かけたくなかったのに』と怒っていた。こんな人権侵害を行う県に何も言えないのか」と迫ったが、沈黙だ。

 復興庁には住宅確保に取り組むよう求めたが、「福島県は相談会も物件紹介もやってきた。避難者の実態も把握している」と評価。支払い困難なケースしか紹介していないと指摘すると「何人かはそれで引っ越したではないか」と擁護する。「県の紹介に応えられない困窮世帯が残っている。実態を把握しているなら、その者に無理な物件を紹介するのはいやがらせではないか」と矛盾を突いた。「私は住宅の専門家ではないので、わからない」と逃げる始末だ。

 また、国連人権理事会・セシリア特別報告者の声明(10/7)に関して復興庁は「『国内避難民に関する指導原則』に反したことはやっていない」と言ってのけた。来年6月予定の国連人権理事会勧告は、政府・自治体に遵守する義務があり、今後、国際人権法の観点から住宅追い出しを焦点にさせるきっかけを作った。

 財務省・復興庁は話し合いを拒否こそしないが、諦めて退去する、要請行動を諦めるのを待つ態度だ。

 支援者からは「こちらが諦めたら思うつぼ。粘り強くやろう」「裁判に委ねるだけでなく並行して要請は継続すべき」との声が上がった。避難当事者は「もし宿舎を追い出されたら今後どうしたらいいのか、責任が取れるか、官僚に迫っていきたい」と述べた。
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