2023年02月10日 1759号

【再び戦争はさせない 朝鮮半島の危機解消と平和実現のために共に行動を/韓国 市民団体が提案】

 韓国の市民団体「朝鮮半島終戦平和キャンペーン」と「6・15共同宣言実践南側委員会」が1月10日記者会見を開き、「停戦70年朝鮮半島平和行動」を提案した。概要を紹介する。「6・15共同宣言」は2000年、初の南北首脳会談で締結。統一後の政治体制を基本合意し、経済交流を実現した。

 朝鮮半島の軍事的危機が切迫している。南北間の対話のチャンネルが切れたまま、緊張が激化、危険な状況に至っている。

 尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は「拡戦覚悟」「圧倒的な戦争準備」などの発言を続け、統一部も(対北の)拡声器設置や宣伝ビラ散布の許容など、国境地域で衝突を招く可能性のある行為を容認、緊張を高めている。

 私たちは今日、「いかなる場合でも朝鮮半島で再び戦争をしてはいけない」という切迫した気持ちでこの場に集まった。偶発的な武力衝突が発生すればどんな悲惨な結果につながるのか、予想できない。

 朝鮮半島の緊張を激化させるすべての軍事的行動は中断されるべきだ。今の危機は、国家間の合意が守られず敵対政策が続いた末の交渉失敗、信頼崩壊の結果だ。2018年の南北・朝米合意は履行されなければならない。大規模な韓米合同軍事演習の中断は関係改善と対話条件の構築に重要な役割を果たすだろう。

 2023年は朝鮮戦争停戦協定締結70年の年となる。しかし70年間続いてきた不安定な停戦状態さえ今後も続くとは言えない。戦争反対と平和実現を叫ぶ声が、市民社会の努力が、これまで以上に必要となる時だ。

   *  *  *

 一触即発の緊張の前で、6・15共同宣言実践南側委員会と朝鮮半島終戦平和キャンペーンは、「2023停戦70年、朝鮮半島平和行動」を提案し、平和を望むすべての市民が共に行動することを切に呼びかける。

 今年1年、朝鮮半島の戦争危機解消と平和実現にむけ、政府の政策変化を引き出すために▽朝鮮半島戦争反対と平和実現のための集中署名運動▽上半期の米韓合同軍事演習と日米韓軍事協力中断要求活動▽国内200市郡区をはじめ全世界300か所での同時平和行動▽7月22日(土) 大規模平和集会とデモ▽8月15日頃に大規模な平和行動など、様々な計画を考えている。

 これらを通じて、全国各地で平和の声を組織し、世界中の市民とも連帯し、戦争危機を解消し、平和の新たな転換点を作っていきたいと思う。

 全国の市民団体などと、2月14日(火)「朝鮮半島平和行動」を発足させ、本格的な行動に出る。今までになかった戦争危機を、今までになかった広くて固い連帯と共同行動で克服し、再び平和の道を開こう。



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