「川崎市の無防備署名5万筆を実現しよう」「受任者500人を実現しよう」。3月20日、川崎市内で開かれた「イラクに平和を!ピース・フェスタ」のデモ行進のシュプレヒコールだ。同市の無防備条例直接請求署名はスタートまで1か月を切った。
7万枚のチラシ配布へ
署名に取り組むのは、2月に結成された平和・無防備条例を実現する川崎の会。
人口135万人の川崎市で条例制定を請求できる署名数は約2万2千筆で、会は4月26日から1か月間、5万筆を目標に署名に集める。
2月23日の結成集会には約50人が参加。前国立市長の上原公子さんが「無防備運動とは、基本的人権と主権者としての意思を使って自分たちが暮らす自治体で自分たちが思うまちをつくるもの。川崎は全国23番目で、とても重要な取り組みだ。ぜひ頑張ってほしい」と励ました。
会はこの日を出発点に市民への働きかけを開始した。
市内は7つの行政区に分かれる。無防備条例の理解を深めてもらおうと区ごとに学習会を開いている。多摩区の学習会には15人が参加するなど、手応えを得ている。協力を呼びかけるチラシ7万枚の戸別配布にも着手した。
ピース・フェスタでは請求代表者や会メンバーが次々と決意を述べた。
明治大学教員の生方卓さんは「沖縄の前島には日本軍が駐屯せず、米軍は上陸したが住民を攻撃をすることなく引き上げた。ジュネーブ条約により軍隊のいないところは攻撃できない、というのが沖縄戦を始める時の米軍の姿勢だった。この精神が無防備運動の原点であり、私はそれを知った以上は関わらねばと参加した」。
市民団体「ぐらす・かわさき」の木村雅子さんは「今日、かつて担任していた子どもたちの卒業式に参加した。この子たちに本当に手渡したいのは、自由でのびやかな平和な未来。川崎には様々な活動をしている友人知人がいる。その人たちと勉強し、自分の言葉で語りかけながら、受任者を1人2人と増やしたい。その方々がまた誰かに声をかけ、ネットワークが広がってほしい。平和を願う人はたくさんいる」と話した。
小田原からバトンが
会共同代表で「多摩平和サロン」の須見正昭さんは「理想的な法律をつくれば理想的な社会が実現するかといえば、そんなことはない。どんな法律をつくっても、それを裏打ちする具体的な施策を実現し、いくつも積み重ねていく努力が求められる。無防備条例づくりもその大きな1つと確信している」と、平和な地域づくりへの無防備運動の意義に期待を込めた。
最後は会共同代表の國井潤さん。「小田原からバトンタッチを受けた。私たちは川崎で、平和なまちを実現する一歩を踏み出す。わくわくしている」と高揚する気持ちを語った。
会は今後、地域での取り組みを強化し、4月26日を迎える計画だ。
事務局長の高畑宅二さんは「4月から新たに10万枚のチラシ配布を始め、12〜13日には3地域で学習会をもつ。毎週金曜の会議にたくさんの市民が参加できるよう工夫したい。教会関係者からも協力が寄せられており、市民団体への働きかけを進めたい。ここまで来た以上、みんなでやり切っていく」と決意を新たにした。
●平和・無防備条例を実現する川崎の会
川崎市中原区今井南町579-5コスギソニア第2・1F
TEL・FAX 044-567-6530
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