2008年05月09日発行
1034号
【川崎市で無防備署名スタート 条例実現へ5万筆をめざして】
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川崎市の平和無防備都市条例制定直接請求署名が4月25日、始まった。請求に必要な法定数は約2万2千筆。平和無防備条例を実現する川崎の会は5万筆を
目標に、市内各所で協力を呼びかける。26日朝、武蔵溝ノ口駅頭でスタート集会、夜には集いが開かれ、1か月間の署名活動へ決意を固め合った。
おおぜいの利用者が行き交う駅前に署名呼びかけの横断幕やパネルが掲げられ、スタートの集いが始まった。
「月桃の花」歌舞団のエイサーに続き、勢ぞろいした5人の請求代表者一人ひとりが決意とともに、道行く市民に訴えた。
請求代表者が訴え
会共同代表でもある須見正昭さんは「近年の戦争では犠牲者のほとんどが一般市民。国が行う戦争に住民が巻き込まれないためには、国と違う所が意思決定を
しないと住民の生命と財産を守ることはできず、無防備都市宣言が規定された。署名に協力を」、同じく国井潤さんは「4月17日にイラク派兵差し止め訴訟で
名古屋高裁の画期的な違憲判決が示されたが、国は『そんなの関係ねぇ』と判決も憲法も無視する態度。許せるものではない。私たちは地域から市民から憲法を
生かした町づくりのため、条例を実現しましょう」と訴えた。
明治大教員の生方卓さんは「1945年、東京大空襲に続き川崎も悲惨な体験をした。それを繰り返さないために川崎を平和産業の町にしたい」、ぐらす・か
わさきの木村雅子さんは「イラクでもアフガンでも武力では何も解決しないことが証明された。足元の川崎から9条を生かすためできることは何でもやっていき
たい」、そして、川崎教会の滝澤貢さんは「日本政府は米軍への思いやり予算を3年間延長する法律を通した。本当に腹が立つ。私たちは何もできないと思い込
まされてきたが、そうではない。署名は、この町で軍事施設を撤去する、軍事行動に加担しない、『私は戦争に行きたくない』という意思を表すためのもの」と
署名に込める思いを表明した。
参加の市民からは「平和と署名の理念に向かって、次の世代に何を手渡すべきかを考え、力を合わせましょう」「『戦争は人の心の中で生まれるものであるか
ら、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない』。ユネスコ憲章の前文です。署名を通し、国際的人間の心根を一歩一歩進めていきたい」との期待が寄
せられた。
すでに署名に取り組んだ国立市や小田原市の市民も応援に駆けつけた。国立市の家坂平人さんは「今日は4人の仲間と来た。政府は戦争ができる国づくりを進
めているが、私たちは戦争に協力しない、戦争体制から離脱するという意思表示ができる。戦争と対極にある平和と暮らしを守るために署名に協力を」と道行く
人に呼びかけた。
市民の熱い思い
夜の集いでは、前日25日の署名について「中原区役所前で集めた。若い人を含め、こんな署名があったのかと、とても手応えがあり、元気づけられた。初日
に600筆が集まり、市民の熱い思いが伝わる一日となった」と報告があった。
講演は中央大名誉教授の伊藤成彦さん。名古屋高裁判決について「自衛隊のイラク派遣は違憲だとはっきり言い、平和的生存権は法的に保障されていることを
示した。現在の自衛隊の活動に対する最終判断であり、今最も有効なもの。署名を集める時、この判決を大いに伝えてほしい」と述べ、エールを寄せた。
この日の署名は1038筆。前日と合わせ1638筆が集まった。
川崎の会は「連休の終わるまでに2万筆を集めたい。一人でも多くの人に署名活動に参加してほしい」と呼びかけ、5月3日に北海学園大学教授の森啓さんが
講演するホップ集会、6日には9条世界会議の海外ゲストとして来日するスイスの脱軍事・非武装化を求める協会のクリストフ・バルビーさんを招いての「軍隊
のない世界へ」の集いを開催する。
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