2008年10月24日発行 1056号

【北海道・帯広市でめざす集会 寄稿 無防備地域宣言運動全国ネットワーク 中川哲也さん 「市民は署名を待ってい る」】

 北海道・十勝地方はパッチワーク状の広大な畑と紅葉の山々が息を呑むほど美しい季節を迎え ている。その十勝地方の中心地で東京23区と同じ広さの市域をもつ帯広市で10月10日、「無防備地域宣言をめざす帯広市民の会」主催の初の集会が開催さ れ、約30名が参加した。

東京23区と同じ広さ

 集会では、無防備北海道ネットワーク代表の和田順義・石狩市議からのあいさつの後、森啓さん(札幌市民の会共同代表、北海学園大法科大学院講師)が、 「平和なまちをつくる自治の理論」と題して講演した。

 「さしせまった現実の不安は、どこかが攻めてくるのではなく、日本がアメリカの戦争に巻き込まれること。だますカラクリは、政府を国家と言いかえ、戦争 動員を国民保護と言いかえること。軍隊は支配体制を守り、国民を守らない。無防備条例をつくり、自治で地域に平和をつくる。全国各地でやれば私たちが主権 者として防衛権限を取り戻すことになる。実に現実的な運動である。制定請求を首長と議会の判断で否決してはならない。制定主体は市民である。私たちは自分 の権限を議員に信託しているのであって、白紙委任しているのではない。市民投票に付すべきである。市民投票に付したなら、市民の共感かあるから過半数を超 えて制定できただろう」と歯切れよく述べた。

「全道に広げて」

 その後、無防備全国ネットワーク桝田俊介事務局長より、全国の運動の状況といずれかの都市で条例化を実現していく決意が表明され、札幌市民の会の谷百合 子さんから「市民は署名を待っている。全道に広げてほしい」と激励があった。
 参加者からは、「平和の地域をつくる意味がわかった」「これまで条例化できていないのはなぜか」「なぜ共産党は反対しているのか」など活発な意見と質疑 があり、集会は充実したものとなった。

 帯広市では、今年の7月と8月に歩行者天国でブースを設け、無防備北海道ネットの協力のもと無防備地域宣言運動の宣伝を行なってきた。その取り組みの上 に立って、今回はじめて集会を成功させた。「帯広市民の会」代表の笠原美智子さんは「今後も学習会を重ねて署名へ向けて頑張りたい」と成功を喜び、司会を 担当した同会事務局の野村和幸さんも「署名は平和への市民の意思表示になる。いつになるか時期はまだ不明だが、帯広市も署名をやりたい」と強い意欲を語っ た。

 「帯広市民の会」では、この集会を契機に直接請求署名をめざして活動を広げていく予定である。

非核条例全国集会で報告

 無防備全国ネットワークでは、こうした各地での無防備平和条例直接請求署名への動きに支援協力するとともに、要請があれば全国各地で報告・学習会を行っ ている。11月22日〜23日に金沢市で開催される「第9回非核平和条例を考える全国集会」の分科会では、全国ネットとして無防備平和条例直接請求運動を 報告する。こうした取り組みを積み重ね、無防備地域宣言運動を全国各地へ大きく広げたいと考えている。 
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