2008年10月31日発行
1057号
【1057号主張 麻生内閣は直ちに退陣せよ グローバル資本への世界的規制を】
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国民生活の危機に無策
10月16日、1兆8千億円規模の08年度補正予算が成立した。後期高齢者医療制度の廃止を拒み「改革」路線の下で一時的にとりつくろうだけでは、金融
恐慌でさらに深刻となる国民生活危機の打開に何の役にも立たない。
同日、東京証券取引所の株価は1千円以上も暴落し、麻生首相は「追加経済対策」を指示した。しかし、その中心は証券優遇税制延長、省エネ設備投資減税な
ど大企業・金持ち救済対策だ。新自由主義路線を継続する限り、国民の暮らしと雇用を直撃する経済危機は深まる一方だ。
このような政策しか持ち合わせない政権は、今すぐ退陣させるしかない。
元凶は金融資本の無法
極限まで規制を緩和し、儲けるためには何をしてもよいとする新自由主義の無法は破たんした。それが、進行する世界金融恐慌だ。
金融資本は、住宅ローンの元利返済金を証券化し商品に仕立てた住宅ローン担保証券(MBS)、ローンや債券を担保資産として束ねた債務担保証券
(CDO)などの金融派生商品を売りまくった。ヘッジファンド(企業・富裕層から巨額の資金を集めた投資基金)がその市場に参入し、ばく大な利益を上げて
きた。
1980年には世界の国内総生産とほぼ同額だった金融資産残高が今では4倍に膨れ上がっている。貧困層を食いものにし労働者をぎりぎりまで搾取する一
方、実体経済の何倍ものカネを動かしてぼろ儲けを重ねる。こんなでたらめな金融ギャンブルがいつまでも続くわけがない。
10月10日、G7(主要7か国)は金融機関への公的資金注入などの行動計画を打ち出したが、世界同時株安は止まらなかった。次いで16日、G8が緊急
声明を出した。しかし、その内容は貿易・投資の自由化促進、IMF(国際通貨基金)の役割支持を強調するものだ。新自由主義に固執した対策では現在の危機
に対処できず、世界金融恐慌は収まらない。
世界銀行ゼーリック総裁も「G7は機能していない」と認めざるをえない(10/6)。今や全く異なる枠組み、世界的な規制の強化に向けた根本的転換が必
要になっている。
新自由主義に終止符を
今日の危機に対し、グローバル資本とその代弁者たちは処方箋を出しえない。彼らに未来はない。今こそ、全世界で戦争と新自由主義路線に終止符を打つチャ
ンスだ。
金融資本・大企業救済ではなく、経済の根幹である労働者・国民の購買力(雇用・賃金・社会保障)を高めなければならない。公的資金=税金の注入には、徹
底した法的責任追及・処罰が必要であり、グローバル資本の横暴を許さない民主的規制が不可欠だ。
米市民は「銀行ではなく国民を救え」と行動を繰り広げている。映画監督のマイケル・ムーアは「金融機関の救済は大企業や大資産家の負担で」と訴えてい
る。
日本でも、大企業・金持ちへの課税強化と投機規制、派遣労働の廃止と雇用拡大、後期高齢者医療制度廃止、軍事費を削って福祉・医療・教育拡充を求め、署
名やワンデイアクションに立ち上がろう。総選挙で戦争と貧困にノーの審判を下し、麻生政権を退場させよう。
(10月19日)
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