2008年11月07日発行 1058号

【後期高齢者医療制度は廃止だ 怒りのハンスト 「死ねというなら」と5日間】

 「死 ねというなら死んでやる」。大書された横断幕を厚生労働省に向かって掲げ、高齢者医療制度廃止を求めて当事者である佐久間忠夫さん(鉄建公団訴訟原告・ 77歳)の決死の5日間ハンスト(断食闘争)が10月27日、いよいよ始まった。

世代を超えた連帯

 佐久間さんは同制度を廃止させる会の呼びかけ人の一人。スタート集会で決意を語った。「政府は労働者を分断して支配してきたが、それではもたないと危機 感を深めて世代間でも分断しようとしている。それがこの制度だ。現役世代のために老人を切り捨てる。家族の分断でもある。子が親を殺し、親が子を殺す日本 社会に政治はない。世代を超えた協力で成功させたい」

 ともにハンストに入る中野勇人さんはこの日誕生日を迎えた46歳。鉄建公団訴訟の原告として、体を張って行動してきた。「本当は佐久間さんを止めなくて はいけないのかもしれませんが…。やると言うなら支えるのが息子の務め」と周りを笑わせながらも顔を引き締める。「これはさせちゃいけないことです。本当 なら悠々自適の生活をしている77歳にこんな決意をさせる社会って一体なんだろう」。そして決意を新たにする。「国鉄の分割民営化から福祉切捨てや生活破 壊が強まった。闘争団はそういう荷物を背負わされている、と感じる。社会の様々な問題とともに闘わないと国鉄闘争の勝利はない」

 同じく呼びかけ人の岡村孝子さんは憲法25条「国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」を胸に掲げて座り込んだ。「障害者、高齢者に加 えて若い人たちさえ病気になっても医療を受けられない社会になってしまった。原点が忘れ去られている。憲法9条とこの25条とをあわせて、国民は平和的生 存権を手にすることができる」と行動への期待を込めた。

「元気な顔で行動を」

 孫の世代にあたる松下争議の吉岡力さんも連帯を表明した。「生きるか死ぬかの闘いだ。秋葉原で『若者は日本の将来は暗いみたいな顔するな』と言った麻生 首相には、暗い顔をさせているのはどこの誰だ、と言いたい。私たちは怒りをぶつける元気な顔で行動を展開しよう」

 「ハンスト決行中」の文字に足を止めて廃止署名をした男性は「これはごく当たり前の、当然の行動だと思います」と語った。バスツアーの高齢者が窓越しに 拍手し手を振る光景も生まれた。
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