2008年11月21日発行
1060号
【次は12・15ワンデイアクション 労働者派遣法の撤廃・派遣労働の禁止へ 吉岡最高裁100万署名の集中を 吉岡さ
んを松下電器の職場に戻し、人権侵害・不当な雇い止めをなくす会 土屋典子共同代表に聞く】
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労働者派遣法の撤廃・派遣労働の撲滅を求めている松下偽装請負訴訟原告の吉岡力(つとむ)さん。画期的な大阪高裁の判決を確定させるため、最高裁に松下
の上告不受理・棄却を求める100万署名の第1次分2万6672筆が10月27日に提出された。第2次提出は12月15日に行われるワンデイアクションの
場だ。この署名運動の意義と反響について、「吉岡さんを松下電器の職場に戻し、人権侵害・不当な雇い止めをなくす会」の共同代表・土屋典子さんに聞いた。
(11月9日。編集部でまとめました。)
反響は全世代から
Q 第1次分署名の特徴と評価は。
A 吉岡さんが北海道や首都圏など全国を訪れて、労組や団体に協力要請に入ったのが、8月の後半でした。その後、各地域で支援する会が発足し、街頭での署
名運動が本格的に始まったのが、9月の後半から。この街頭行動で一気に署名が増えてきました。
実際には1か月間で2万6千以上が集まったことになります。短期間ではよく集まったと言えるでしょう。
署名は、非正規・不安定雇用を強いられる若者や将来に不安を覚える高校生などから積極的な協力がありました。当初から、同じ当事者としての若者から協力
があることは予測できていました。
ところが、取り組んでちょっと驚いたのは、若者だけでなくもっと幅広い世代からの協力があったことです。
親の世代からは、息子や娘が派遣で働いていることの不安や悩みが語られ、「支援します」。正社員の人からも「企業のやり方はズルイ。使い捨ては行き過ぎ
ている。おかしい」。中小企業や下請け会社の社長さんも「労災が多発している。下請けイジメはひどい。このままでは社会全体が崩壊する」と怒りの声を寄
せ、協力してくれました。
どの世代の人も「今の社会はおかしい。変わらなければ」との思いを強く持っている。しかし、どう変えていくかがなかなか見えない。その第一歩が署名への
協力だったと思います。
効果的な定例行動
Q 街頭行動で一気に増えたというのは。
A 地域の支援する会はいろいろと工夫しています。
京都の会は、「無防備署名運動のように取り組もう」と朝から夕方までスーパーの前などで一日行動に取り組んでいます。大阪市や滋賀の会などは週1回の定
例行動に取り組んでいます。
長く立っている。定例でやっている。これがいいんですね。たまたま急ぎの用事で署名できなかったとしても、市民はよく見ている。何をしているかは知って
いるのです。「この前もやっていたね」とか「やっと署名できます」と近づいてくれます。中には、署名用紙を持ち帰り、集めて持ってきてくれるリピーターま
で現れています。
一過性の取り組みでなく、定例的な行動だから、安心して悩みを相談できるような場になっています。街頭行動はそういう空間を作り出しているのです。
Q 松下の関係者とよく出会うそうですね。
A あるとき、「松下はこんなヒドイ働かせ方をしているんです」と訴えかけると、「そうなんです」の返事。えっと思って「松下の人ですか」と問うと、正社
員の人でした。セクハラ、パワハラが横行し、「アホ、ボケ」と職場でどなられることは日常茶飯事ということです。
松下系列の人材サービス部門で働く女性も、松下が偽装請負をしていることはよく知っていました。
近寄り署名をしてくれる松下関係の人は、ほんとうに口を揃えたように「松下のやり方はヒドイ」と言います。
吉岡さんのいたPDP(プラズマディスプレイ)では、来年1月末に2年3か月の「契約期限切れ」を迎える多くの期間社員を登用試験でふるいにかけていま
す。私たちの呼びかけに「落ちるはずのない人が落とされた」などの連絡が入っています。労働者を虫けらのように使い捨てる松下のやり方は変わっていませ
ん。
12月15日は最高裁前で
Q 12月15日の第2次署名提出に向けては。
A 累計で10万筆の署名提出を目指します。
街頭署名を広めて、松下にぐっと食い込む取り組みを強めます。インターネット署名や海外署名も始めて、国際的にパナソニック(松下)を追い込みます。空
白地域の労組要請や文化人・学者への要請にも取り組みます。
前段の企画として、12月13日大阪、14日東京で「派遣労働の禁止を求めるシンポジウム」を開催します。いまこれの宣伝チラシを配っていますが、受け
取りの反応がすごくいい。「派遣の禁止」が注目を呼んでいるのだと思います。
そして、12月15日のワンデイアクションですが、最高裁前で半日くらいのパフォーマンスを考えています。寄ってたかって楽しい行動にしたいと思いま
す。
−ありがとうございました。
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