2009年03月27日発行 1077号

【派遣切り・雇い止めは違法だ!切られる前に闘おう! 争議当事者が「直接雇用を」 派遣法撤廃へ3・14〜15集会】

 「派遣切り・期間工雇い止めは違法だ!派遣法を撤廃して労働者の権利確立へ」をテーマにした集会が3月14日大阪市内で、15日には川崎市で開催され た。龍谷大学の脇田滋教授が講演し、労働者派遣法を撤廃させるためには、松下PDP(プラズマディスプレイ)事件の大阪高裁判決を確定させることの必要性 を強調した。

  松下高裁判決の確定を

 脇田滋教授は、インターネット上で「派遣労働者の悩み110番」を開設するなど、文字通りの闘う労働法学者だ。「労働者派遣法撤廃運動と松下PDP高裁 判決の意義」のタイトルで講演した脇田教授は、松下高裁判決以降に派遣先の使用者責任を追及する流れが拡大していることを指摘。この判決の確定が派遣法撤 廃の展望であることを明確に示した(講演要旨別掲)。

 約150人が集まった3月14日の関西集会。松下PDP事件の当該原告・吉岡力さんは、なかまユニオン井手窪啓一委員長らとともにイラク国際労働者大会 参加のために不在だったが、次々と声を上げ争議に立ち上がる当事者やなかまユニオンの地域分会のメンバーがパネルディスカッションを担い切った。

吉岡さんの例がある

 福井県敦賀市在住の河本猛さんは3月6日に提訴したばかり。パナソニックの孫会社「パナソニックエレクトロニックデバイスジャパン」で派遣期限の3年を 超えて勤務してきた河本さんは、会社に直接雇用を求めたが拒否され、一方的な休業を通告された。「吉岡さんの判決の例がある。ぼくにもできる」と、正社員 化を求めて福井地裁に提訴した。

 滋賀県長浜市のヤンマーびわ工場に勤める佐々木真一郎さんも正社員化を求めて闘う。偽装請負・違法派遣を解消するためにヤンマーがとった手段は、期間従 業員。最初が5か月、その後6か月で最長2年11か月の有期雇用だ。所属するアルバイト・派遣・パート関西労働組合との団体交渉の場で、会社は「期間従業 員は生産増減の調整弁。ほかの会社でもやっていること」と開き直り、減産を理由に、最初の5か月で期間従業員を雇い止めにした。

滋賀県で「派遣村」

 なかまユニオンはこの間「3月末解雇ホットライン」や労働相談に取り組んできた。地域分会からは「切られる前に闘う」ことが有効である事例が報告され た。

 「ユニオンに加入したと通告しただけで雇い止めが撤回され、継続雇用となった」(奈良地域分会)、「『どう考えても退職強要なのに自己都合で処理されよ うとしていることが納得できない。30年間働いてきて、これだけは譲ることができない』と相談を受けた。ただちにユニオンに加入し、団体交渉で追及。自己 都合を撤回させ、会社都合にさせた」(京都地域分会)

 集会は最後に、松下高裁判決確定のために最高裁100万人署名をさらに集中すること、全国のパナソニック争議団と連帯・共同行動でパナソニックを包囲す ること、3月28〜29日に滋賀県長浜市で「滋賀派遣村」を開設することなどを決めた。
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