2009年05月08日発行 1083号

【立川市 吹田市 無防備地域署名開始 戸別配布のビラで駆けつける】

 無防備地域条例制定直接請求署名運動が4月23日に東京・立川市で開始され、25日からは 大阪・吹田市でも始まった。いずれも悪天候でのスタートとなったが、市民の反応はよく、連休中に法定数を突破する勢いだ。

  軍事施設はいらない ――東京・立川市

 4月23日にスタートを切った東京・立川市の無防備地域条例制定直接請求運動。法定数は2872筆だ。

 25日は冷たい雨の中での署名活動となったが、朝9時から駅前でもたれたスタート集会に、さっそくうれしい反響が飛びこんできた。署名開始前に戸別配布 されたチラシを読んで1人の女性市民が「ぜひ署名を集めたい」と駆け付けたのだ。その後も、団地近くのショッピングモールやスーパー前で署名が取り組ま れ、この日だけで99筆を集めた。

 夜には市内の公民館で交流会がもたれ、3日間の反響や署名活動上の工夫などが共有された。立川市は中心部に自衛隊立川駐屯地があり、戦時中も軍都であっ たために米軍の爆撃を受け、多くの犠牲者を出した歴史を持つ。

 請求代表者である白崎順子(よりこ)さんは戦前・戦中のこの地域の歴史を調べてきた1人。「このあたりは富士山方面から飛んでくる戦闘機の通り道でもあ り、市民はそのたびに防空壕へ逃げこまなければならなかった。そして山中坂の悲劇も生んだ(市西部の富士見町山中坂にあった防空壕が爆弾の直撃を受け、子 ども34人を含む42人の市民が犠牲となった)。“目には目を”という軍事的手段が悲劇を生むことは歴史が証明している。軍に関わるものをなくすことが自 分の身を守ることになる。だから無防備地域宣言」と白崎さんは市民に語りかけている。

「頑張って」の声続く

 ある女性は「母から戦争中のことはよく聞いている。戦争は絶対したくないしさせたくない。頑張って下さい」と言って署名に協力した。チラシをじっと読ん だ若い男性からは「自衛隊基地はどうなるんですか」との質問。ジュネーブ条約第1追加議定書の軍民分離を説明し、将来的には基地をなくす方向でこの署名運 動に取り組んでいることを話すと、納得して署名した。若いカップルがチラシを受け取った後に引き返して来て、「このチラシを読んでその通りと思いました。 頑張って」と署名をしていく。

  軍事施設の存在が周辺住民の命を奪った歴史、今も基地と隣り合わせに暮らす立川市での署名スタートは順調だ。市民の会スタッフから、次々に熱い意気込みが 語られた。「 “山中坂の悲劇を語り継ぐ”ことを超えて、平和な地域を自分たちの手で作りだそう」「私たちが動けば何千・何万の思いを掘り起こすことはで きる」。連休を返上して早期の法定数突破をめざす。

【連絡先】
「平和な町条例を作る立川市民の会」
・立川市曙町1−28−4 ビアスカイ101号
・TEL/FAX 042-526-5980
・ホームページ http://www.geocities.jp/tachikawa_peace/

  商店街に署名スポット ――大阪・吹田市

 4月25日JR吹田駅前での署名スタート式は冷たい雨が降りしきる中での開催。「条件はもうこれ以上悪くなることはない。ここから出発しよう」と、雨を 防げる商店街などの署名スポットにただちに移動した。

 一日中雨の天気だったが、初日夕方の集約集会は笑顔のつどいとなった。

 実質4か所の署名スポットで406筆集まった。

 「うれしかったのは、『家に入っていたチラシを見ました』と駆け寄ってくれたこと」「10人分できるかな、と不安に思っていたが、目標は達成。倍以上集 まりました」「立ち止まってくれる人はほとんど署名してくれる。『こういう活動をしてくれる人がいるからこの世が成り立つ』とお年寄りに励まされた」な ど、うれしい報告が続いた。
 2日目も冷たい強風が吹く悪天候。それでも累計734筆に達した。法定数は約5600筆だ。

【連絡先】
「平和・無防備条例をめざす吹田市民の会」
・吹田市内本町2−2−5 ヤオキビル2F
・TEL/FAX 06-6383-8117
・ホームページ http://muboubisuita.web.fc2.com/
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