2011年04月22日発行 1179号

【試用期間中解雇を全面擁護 本田福蔵さんに不当判決 大震災口実の内定取り消し・解雇を促進 大阪地裁 「うるさい」 と傍聴者に暴言の中村哲裁判官 反動判決連発の地裁を許さない】

 4月7日大阪地方裁判所中村哲裁判官は、2008年日本基礎技術による試用期間中解雇の撤回を求めた裁判で、会社側主張をうのみにした解雇有効の不当判 決を言い渡した。原告・本田福蔵(よしぞう)さん、なかまユニオン、撤回させる会はただちに控訴することを表明。控訴審、労働委員会闘争、総行動を強め、 職場復帰まで闘い抜く決意を明らかにした。

 「主文、原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。以上」―それだけを小声で読み上げてそさくさと退廷しようとする中村裁判官。傍聴席を埋め た支援者から上がった「判決理由を説明しろ」「不当判決だ」の怒りの声に、「うるさい」と悪罵を投げつけて扉のかげに逃げ込んだ。「法と良心」の下、公正 さが求められる裁判官にあるまじき暴言に、支援者らが激しく抗議。そのまま法廷で釈明と謝罪を求め書記官と交渉し、1時間半にわたる抗議で暴言の事実と抗 議を伝えることを認めさせた。

 怒りもさめやらぬ中、弁護士会館での報告、日本基礎技術への抗議行動、夜の判決報告集会と続き、判決の不当性をアピールするとともに闘う決意を固めた。

 判決は、会社側が係争以降に出してきた「事象」=解雇理由をそのまま認め、「技術社員としての適格性を欠く」との一方的判断で解雇を有効とした。日本基 礎技術の「試用期間中解雇自由の就業規則」も問題とせず容認。新入社員に研修等でミスがあればどんな解雇も可能となる。試用期間中でも解雇には厳しい制約 を加えた過去の判例を全面否定し、今、大震災を口実に広がる新入社員の内定取り消し・解雇を擁護し促進するきわめて反動的な不当判決だ。

 弁護団は「まず解雇ありき。適正手続きがない解雇が認められればどんな解雇もでき、今までの労働法が否定される。粉砕しなければならない判決」と強く批 判した。

 原告・本田さんは「裁判官が『うるさい』と言い捨てた表情は絶対忘れない。やってもいないことで解雇される、会社はいつでも解雇できる、など納得できな いし、あくまで職場に戻りたい。人格を否定された本人の気持ちをわからせるまで、長くかかると思うが、支援をお願いします」とひるまぬ思いを語った。

 報告集会では、判決の危険性を広く伝え糾弾する、反動判決を連発する地裁・中村裁判官批判の共闘を広げる、就労闘争・総行動を強化するなどの方針を確認 した。
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