2012年01月06・13日発行 1214号
【「本当の民主主義を今すぐ」マニフェスト スペイン】
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2011年10月15日、「オキュパイ(占拠せよ)ウォールストリート」の運動に連動し、
「われわれは99%」の合言葉が世界中で交わされ、82か国1500か所以上というかつてない規模の反グローバル資本主義の行動が展開された。その発信元
は、スペインで始まった社会運動「本当の民主主義を今すぐ」。若者では5割に達する失業率や支配層の特権に「怒れる者たち」が5月15日、首都マドリード
の広場を占拠。その後も断続的にデモや座り込みを行い、10・15世界行動を呼びかけた。そのマニフェストを紹介する。
私たちは普通の人間だ。あなたたちと同じように、毎朝起きて勉強し、仕事し、あるいは職を探す人間だ。家族や友人がいる人間だ。周りの人々のよりよい明
日のために毎日一生懸命働く人間だ。
私たちの中には、自分を進歩的と考える人もいれば、保守的と考える人もいる。宗教を信じる人もいれば、無宗教者もいる。明確なイデオロギーを持つ人もい
れば、政治に無関心な人もいる。しかし、私たちはみな、自分たちが目にする政治・経済・社会の現状に懸念を抱き、怒りを覚えている。政治家や経営者、銀行
家は腐敗し、私たちの声を封じ、無力感を植え付けている。
こうした状況が当たり前になり、希望なき苦しみが日常化した。しかし、私たちが一つの力に結び合えば、変えることができる。今こそ変革の時だ。共により
よい社会を築く時だ。私たちは次のように強く主張する。
*いかなる進んだ社会においても最優先されなければならないのは、平等と進歩、連帯、思想・表現の自由、持続可能な発展、福祉、人間の幸福である。
*居住、雇用、文化、健康、教育、政治参加、人としての自由な発達の権利および健康で幸福な生活を送る消費者としての権利は、この社会において守られるべ
き譲ることのできない権利である。
*政府と経済システムの現在のあり方は、こうした諸権利をないがしろにし、多くの面で人類の進歩の障害となっている。
*民主主義(デモクラシー)は民衆のものである(デモス=人民、クラトス=権力)。政府が私たち一人ひとりによってつくられることを意味する。しかし、ス
ペインでは政治に携わる面々はほとんど私たちの声を聞くことさえない。政治家たちは私たちの声を政府諸機関に届け、直接のチャネルを通じて市民の政治参加
を促し、広く社会に利益をもたらすべきであって、私たちを犠牲にして富と繁栄を得てはならない。経済界の強大集団の独裁に奉仕し、国民党と社会労働党によ
る不動の二大政党支配を通じてこの集団に権力を握らせ続けてはならない。
*権力欲とひと握りの者への権力の集中は、不平等と緊張、不正を生み、暴力へと導いている。私たちはこれを拒否する。時代遅れで不自然な経済モデルは、ひ
と握りの者を肥え太らせ、他の人々を貧困に追いやることによって社会の仕組みを消耗させ、悪循環に陥れる。行きつく先は破滅である。
*現行のシステムの意図と目的はお金を蓄積することにあり、暮らしやすさや社会福祉には関心がない。資源を浪費し、地球を破壊し、失業者と満たされない消
費者を生み出している。
*市民は、多数者の要求に関心を払わない少数者への富の集中のために組み立てられた機械の部品にされてしまっている。私たちは名もない存在だが、私たちを
ぬきにこのシステムは成り立たない。私たちが世界を動かしているのだから。
*大多数の者に何の利益ももたらさない空っぽの経済システムに私たちの未来を委ねてはならない。そのことを社会全体として学ぶならば、私たちみんなを苦し
めている不正を取り除くことができる。
*私たちには道徳的価値の革命が必要だ。人間よりもお金を優先するのではなく、人間のためにお金を使うのでなければならない。私たちは人間であって、製品
ではない。私はただ売り買いされるだけのモノではない。
以上述べたすべての理由で、私は怒っている。
これは変えることができると私は思う。そのための力に私はなれると思う。力を合わせれば私たちは変えることができる。
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