2012年02月10日発行 1218号

【不採用問題は終わっていない 政府・JRの責任を追及し、国会前マラソン・ハンスト】

 国鉄分割・民営化による1047名解雇の撤回をめざした国鉄闘争は昨年6月、雇用要求を断 念する形で区切りがつけられた。しかし、JR不採用問題は終わっていない。当事者が立ち上がった。

 1月27日、中野勇人さん(元北見闘争団)、佐久間忠夫さん(元東京闘争団)、猪股正秀さん(元佐賀地区闘争団)の3人が政府・JRの責任を追及する国 会前マラソン&ハンスト行動に入った。

 前日開かれたスタート集会で、萩尾健太弁護士は「雇用については政党の要請を国土交通省が取り次いだだけで、JR各社は即日拒否した。政府が雇用問題解 決の努力をするという約束は果たされていない。納得できないという3人を応援し、世論を喚起していこう」と呼びかけ。大口昭彦弁護士は「和解の当事者は鉄 建公団であり、JRは一貫して当事者となったことはない。『雇用問題は争わない』との意思表示は、JRについては無関係」と指摘し、国鉄闘争が「JRに対 して雇用問題の解決を要求し、JRへの指導を怠った政府に対して約束通り問題解決を促進するよう要求する」新たな段階に入ったことを強調した。

 当事者が決意表明に立つ。

 佐久間さんは「終戦で昨日まで『鬼畜米英』と言っていた大人たちが誰も自己批判しない。これが私のバックボーン。労働運動にも哲学がなければだめ。相手 は金で解決しようとするが、金より雇用だ。原発でも若い人たちが金より命と立ち上がっている。経産省前テント村とも一緒にやっていく」。


行動は2月16日につなぐ

 中野さんはかみしめるように語った。「一人でもJRに戻ることが当事者の悲願だったから雇用断念では負け。行動を起こさないと、争議に職場復帰はないと いう流れになる。約束を守らない限り闘いは続くことを相手に分からせなくては」

 猪股さんからは「JRに対する政府の指導権限も活用されていない。『雇用ゼロ』は約束不履行」とする決意文が寄せられた。

 国会前には「政府の約束無視を許さない」ののぼりが立つ。29日までの3日間で約40人が伴走・支援にかけつけた。「全ての原発を廃炉に」のゼッケンを 着けた走った国労組合員も。

 中野さんは「体調は悪いが、自分が決めたことだから最後まで走る。責任をとらなきゃこういうことになるんだよ、と示したい」と闘志を燃やしている。国会 の周囲を1日50キロ走り、JR不採用通告25年目の2月16日、1047キロに到達する。

 佐久間さんと猪股さんは5日ずつのリレー・ハンストで2月16日につなぐ。


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