2012年04月06日発行 1226号

【大飯の再稼働を認めない 地元福井県で3・25市民集会】

 全国の注目が集まる大飯原発3・4号機の再稼働に反対する市民集会が3月25日、福井市内 で開かれた。
 福井県庁横の中央公園には県内はもちろん、関西、北陸、首都圏などから約700人が集まった。

突然の断食宣言

 主催者あいさつをしたのは、原子力発電に反対する福井県民会議代表委員の中嶌哲演さん。



 小浜市の明通寺住職でもある中嶌さんは「大飯原発の10キロ圏内は小浜市の70%にも及ぶ。立地自治体のおおい町は20%にすぎない。小浜市民は過半数 の署名などで小浜への原発誘致を拒否、大飯原発の建設・増設にも反対してきた。実質上の地元、小浜市民の声を聞いていれば、今こうした集会を開くこともな かっただろう」と語りだす。

 西川福井県知事が福島事故後「県民の安全確保が第一」と述べたことにも触れ、「不当、拙速な国の圧力に屈していない知事や地元の要望に葛藤している議員 を、再稼働に慎重な判断をするように激励、支援しましょう。平和裏に原発依存からの脱却を準備するように訴えましょう」とも呼びかけた。

 「大飯が一点突破されれば、なし崩し的に原発群が再稼働され、延命が図られてしまう。原子力ムラの一翼を担う現政権はフクシマだけで懲りていないのか。 断じて、大飯3・4号の再稼働は認めません」と述べた後、中嶌さんは個人としての決意を披露した。

 「きょうから3月31日まで断食に入ります」

 突然の断食宣言だ。

 「昼は県庁ロビーで静かに座します。苦行するつもりはありません。福島事故の犠牲者、生きとし生けるものに思いを馳せ、若狭や全国のどこにも『第2のフ クシマ』を連発させないように祈ります」

 静かに頭を下げる中嶌さんに参加者から拍手が起こった。

地元住民の声を聞け

 原子力資料情報室の山口幸夫共同代表はストレステストの問題点について「意見聴取会というが、信頼を失った有識者や専門家の話を聞いただけ。一番意見を 聞くべき地元関係住民の意見を聞いていないことが一番の問題点だ」など5点を指摘した。

 中嶌さんの断食宣言に次いで拍手が起こったのは、越前市議会議長からの連帯メッセージが届いたときだ。

 3月19日、越前市議会は「拙速な再稼働に反対する意見書」を全会一致で可決した。県内初の意見書採択だ。

 メッセージを読み上げたのはさよなら原発福井ネットワークの山崎隆敏さん。「私たちは首長や議会を回って来た。私たちが出した陳情や請願をこえる内容の 意見書を越前市は採択してくれた。今後も脱原発社会をめざしてがんばりましょう」と呼びかけた。

 集会後はデモ行進に出発。みぞれ混じりの冷たい雨が降る中を、中嶌さんを先頭に「再稼働絶対反対。阻止するぞ」のシュプレヒコールを上げ、市民にアピー ルした。


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