2012年05月18日発行 1231号
【声明 歴史的な稼働原発ゼロ 原発のない新しい社会へ】
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5月
5日、ただ一つ稼働していた北海道泊原発3号機が停止した。稼働中の原発はゼロになった。
これは、日本の原発が全国で本格的に運転を開始して以来初めてのことであり、世界の原発推進諸国の中でも例のない画期的な出来事である。稼働原発ゼロ
は、原発を通じて莫大な利益をあげ、福島事故後も原発再稼働を執拗に追求してきたグローバル資本にとって、大きな打撃となる。
2012年5月5日は、日本が原発のない新しい社会へと向かう大きな転換点として歴史に刻まれる。
市民の闘いが“止めた”
全50基の原発は“止まった”のではない。闘いが原発を”止めた”のだ。「子どもたちに原発のない日本を」のスローガンに代表される原発廃止を求める広
範な市民の運動と世論が、再稼働をはばみ全原発を止めた。その運動の根底には、命よりも金儲けを優先する社会は根本的に変えなければならない、という人び
との強い思いがある。
4月13日、野田首相が福井県大飯原発の「安全宣言」を発した日、1600人を超える市民が首相官邸に向かって抗議の声を上げた。15日、大阪で開かれ
た原発民衆法廷は「原発の再稼働は犯罪」と断罪した。17日には経産省前テントひろばで再稼働阻止のハンストが始まった。5月5日までのハンスト実行者は
福井・福島の市民や文化人も加わって100人を超え、連帯の輪が広がった。福井現地でも大飯再稼働に反対する集会が取り組まれ、関西電力には要請・抗議が
繰り返された。
闘いは世論を動かした。4月のあらゆる世論調査で再稼働反対が多数を占め、政府への不信を突きつけた。
全国の運動と反原発の世論は、立地自治体・周辺自治体の住民、首長と議会、中小企業を後押しした。
大飯原発が立地するおおい町や隣接する小浜市での住民説明会では、安全おきざりの再稼働にかつてない不安や批判が集中した。京都府・滋賀県の首長らは拙
速な再稼働に反対する姿勢を明確にした。原発立地自治体の一つ佐賀県の県議会も大飯原発再稼働反対の決議を採択した。原発事故で被災した福島県南相馬市の
桜井市長をはじめ全国約70自治体の首長が集まって「脱原発をめざす首長会議」が発足した。愛媛県商工会議所連合会は伊方原発の再稼働反対を表明し、脱原
発をめざす経営者の会も結成された。
大きな変化が起きている。
共に社会を変革しよう
福島原発事故の責任をとることなく再稼働を追い求める電力会社・政府の策動を許さず、全原発廃炉へと進まなければならない。段階的撤退ではなく全原発の
即時廃炉である。1%のグローバル資本の利益ではなく、命と子どもたちの未来、99%の幸福が最優先されなければならない。
東京電力への融資の条件として再稼働を求める3大メガバンク、原発利権に群がるグローバル資本―経団連への批判を強めよう。電力不足宣伝のウソを暴き、
1基の再稼働も許さず、全原発廃炉を要求しよう。原発民衆法廷で福島事故に対する政府・東電の法的社会的責任を追及しよう。
99%の人びとの力を集め、原発のない新しい社会を実現しよう。
2012年5月5日
民主主義的社会主義運動
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