2012年06月22日発行 1236号

【MDS声明 大飯原発3・4号機再稼働決定を糾弾し、野田内閣打倒に進もう】

 6月16日、野田内閣は関西電力大飯原発3・4号機の再稼働を決定した。あらゆる世論調査 で再稼働反対が多数を占めていたにもかかわらず、決定を強行した。

 なぜ再稼働を決めたのか。

 電力資本、金融資本を中心とするグローバル資本の利益のためである。

 電力会社は原発を再稼働させないと赤字になる。今年度に50基の全原発を廃炉にするなら4兆4千億円の損失が出る見込みと経産省は試算している (6/18朝日)。三井住友などの金融資本は、電気料金値上げと原発再稼働を東京電力への融資の特約条項としている。原発を再稼働させて電力会社の赤字を 防ぎ、利子、配当、借入金返済を確保することが金融資本の意図だ。原発メーカーの日立、東芝、三菱重工は、日本国内が稼働ゼロでは原発輸出ができなくなる と恐れていた。多くのグローバル資本は、再稼働しない場合の電力コスト負担を嫌がった。

 グローバル資本は、福島原発事故にもかかわらず、「命よりカネ」を選んだ。野田首相はこのようなグローバル資本の期待に応えて原発再稼働を決定したので ある。

 決定過程で、再稼働推進勢力はそれぞれが役割を演じた。関電は計画停電で脅した。関西経済界は停電は困ると大合唱し、関西広域連合に圧力をかけた。橋下 大阪市長は脱原発をちらつかせながら、限定再稼働を打ち出すことで関西広域連合を再稼働容認に導いた。政府は関西各自治体の理解を得られたとした。福井県 は決定の責任を取りたくないために野田首相との会談を持ち出した。それぞれが再稼働への強い批判におびえながら、グローバル資本の再稼働要求に応えたので ある。

 野田政権は再稼働と同時に、消費税増税について民主・自民・公明3党の合意を取り付けた。

 福島第1原発爆発事故を引き起こしたグローバル資本とその代弁者たちは、事故を反省し謹慎するどころか、事故の負担を電気料金引き上げ、消費税増税の形 で市民に転嫁し、これまで以上の高利潤の確保を狙っている。まさに1%のグローバル資本が99%を犠牲にし続けようというのである。

 しかし、それは1%の意図であって現実ではない。原発再稼働はグローバル資本からは評価されても、野田内閣の支持率は過去最低の23・9%となった (6/15〜6/17NNN調査)。首相官邸、福井現地、関電、大阪市役所などの抗議行動は、再稼働への市民の強い怒りを示している。

 大飯原発再稼働を糾弾し、再度稼働停止に追い込んでいかなければならない。他の原発も一つ一つ再稼働を許さぬ闘いを強化しなければならない。原発再稼働 と消費税増税の野田新自由主義内閣を打倒しなければならない。橋下を追放しなければならない。

 この闘いは、1%の支配を完全に打ち砕き、99%が富と社会を取り戻す闘いである。

 日本、世界から新自由主義を葬り去り、社会の根本的変革に進もう。

2012年6月18日
民主主義的社会主義運動
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