2012年06月22日発行 1236号
【勲章投げ棄てたイラク・アフガン帰還兵 NATOサミットに抗議】
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NATO首脳会合が開かれたのはシカゴ。オバマ大統領が初めて議員となったその地で自身が
ホストを務める会合は、NATOの63年間の歴史の中で最大のイベントになるはずだった。しかし、首脳会合の目の前で展開されたのは、イラク・アフガン戦
争の帰還兵や在米アフガン人の戦争反対の叫びだった。
5月20日、IVAWは勲章返上行動を実施。特設ステージに46人が立ち、一人ひとりが怒り、苦しみ、悲しみ、希望のメッセージを叫び、胸の勲章を引き
ちぎり、NATOサミット会場に向けて投げ捨てた。
取材した『ガーディアン』紙の記者は「私の生涯でこれほどの感動的な経験はなかった。英雄的で美しく、感動的なセレモニーだった」と記した。
帰還兵の叫びを紹介する。
* * *
・戦争、軍国主義、帝国主義よりも私は人間らしい生活を選択した。(ジェリー)
・私はイラク帰還兵。世界中の戦争犠牲者のために私は勲章を投げ捨てる。同時に、戦争に反対する兵士や帰還兵のためにも。あなたたちは一人ではない。(ス
コット・キンボール)
・われわれはこんなくず(勲章)などほしくない。われわれがほしいのは人権だ。心の傷を癒す権利だ。(マギー・マーティン)
・イラクとアフガンに従軍した。勲章をもらったとき、こんなものは意味がないと悟った。戦争がばかげているともっと早く声を上げなかったことを今は後悔し
ている。(ジャコブ・クローフォード)
・私がなぜ勲章を返上するのか。それはわれわれが99%の大衆だからだ。われわれは沈黙を拒否する。(フィル)
・11歳の息子を持つ母親だ。10年以上も私は従軍してきた。この場に立っているのは、息子や孫の世代が従軍しないための保証だ。(サブリーナ・ウォー
ラー)
・イラク帰還兵だ。私はイラクの人びとを解放するのではなく、彼らの石油を解放してしまった。(ザック・ラポルテ)
・PTSD(心的外傷性ストレス症候群)に病んでいる。軍隊での過重労働のためだ。病を癒す権利を持っていると訴えたい。(トッド・デニス)
・2度イラクに従軍した。われわれがおこなった破壊は必要がなかった。そして今、終わらせることができる。なぜなら、もう一つの世界は可能だからだ。われ
われを止めることはできない。(ジョン・アンデルセン)
・われわれの敵は7千マイルも離れたアフガンにいるのではない。彼らは会議室にいる。CEO、銀行家、ヘッジファンドのマネージャーだ。敵はここにいる。
毎日見ている。この地球を支配する億万長者だ。(ヴィンス・エマヌエル)
・6人の友人を代表してここに来た。彼らもここに来たかったが、不可能になった。イラクやアフガンの民衆への犯罪に手を貸すことを拒否したことで逮捕され
たからだ。今ポケットに彼らの勲章も入っている。それを投げ捨てる。くそったれ。(チュック・ウィナント)
・3回許しを請う。昨年命を絶ったあいつのため。同僚から性的犯罪を受けた女性軍人の3分の1のため。そして、俺の贖(しょく)罪のためだ。申し訳ない。
ほんとうに申し訳ない。申し訳なかった。(アーロン・ヒューズ)
・2003年イラク、2011年アフガンの占領に加わった。これらの戦争に名誉などない。あるのは恥だけだ(アレハンドロ・ヴィラトロ)
*(注)IVAWの行動の映像はデモクラシーナウ!のサイトで見ることができる。
http://www.democracynow.org/2012/5/28/memorial_day_special_us_veterans_of
勲章を胸からむしりとり投げ棄てるIVAWの元兵士
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