2013年01月18日発行 1264号
【福島から避難して 萩原ゆきみさん 全国民のため政府の姿勢を変えてほしい】
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子ども・被災者支援法に基づく基本計画が近く策定される。避難・移住・帰還の権利ネットワークの萩原ゆきみさんは福島原発事故後、2人の子と共に郡山市か
ら避難。現在は京都市に住み、自身の体験をもとに、関西の人々と共に様々な取り組みをしている。避難者としての思いと切実な要求を聞いた(12月19
日)。
真実を隠さず伝えて
2011年3月15日に福島から関西に来て1年9か月。外部被曝はしていなかったはずなのに内部被曝と思われる症状が次々と3人に現れ、内部被曝のこ
と、食のことはいつも頭から離れません。
「(被災地産を)食べて応援する」という言葉を今もよく聞きます。でも、食べて応援したらどうなるのでしょう。
主人は今も福島です。友人やその子どもたちも多くいます。夏休みに福島に帰ったとき、スーパーには京都では決して選ばないようような産地の品物ばかりが
売られていました。それを買って食べるしかありませんでした。被災地では、「地産地消」と子どもも大人も毎日、汚染されたこの食べ物を食べることを強いら
れている。避難しても健康に苦しんでいるのに。どんな思いでそれらを口にしたか、ご想像いただけるでしょうか。
なぜ、食べて応援してまで汚染された地域に人びとをとどまらせなくてはならないのでしょうか。症状が出るのは、数か月後か、数年後か、数十年後かは分か
りません。でもそうなれば、医療費がかかり、介護が必要になる。命がおびやかされるだけでなく、国の、国民一人一人の負担も重くなり被災者だけの問題では
なくなります。「食べて応援する」方も、「食べない」と決めた方も、被災地の人びとを安全にすることで、日本、世界を守り皆さん自身を守ることにつなげて
ほしいと思います。
政府がこうした真実を隠すことなくしっかり伝え、今までの姿勢を変えること。それがいま私がいちばん切実に感じていることです。
要求はきりがない
要求は数え上げればきりがありませんが、大切と思うことをいくつかあげます。
◆危険地帯の人々を避難させてください。
◆子どもの保養とともに大人にも保養の権利を! まとまった期間、体を休め、安全な環境と安全な食事で家族と一緒に暮らし、放射能で傷ついた体と精神に元
気を取り戻してほしい。被災地と共に全国民が共倒れにならないよう、東北、関東も含む被災地で暮らす人びとの保養を義務化する法律を作り、給付金や補助金
を出してください。
◆宅急便などの送料の補助を制度化してほしい。被災者は、夫や被災地に残された家族のために近畿の安全な食材を送ったり、取り寄せている人が多くいます。
家族の健康を気遣っているのですが、郵送料もかさみます。避難者は関西にいても、必死に放射能と闘っています。この小さな積み重ねが、内部被曝による健康
悪化、病気を防ぐ大きな力になります。
◆出回る食料をしっかり測定し限りなく0ベクレルに近い物だけが流通するようにしていただきたい。たとえ1キロ当たり8ベクレルでも毎日食べ続けると、子
どもであれば3か月で心臓疾患の可能性が生まれるという説もあります。内部被曝は外部被曝に比べ格段に危険度が高い。決して被災者だけの問題ではなく、全
国民の問題だと私は思います。
日本の未来を見据えて要求し行動することが、被災者を見捨てず、被災地を支援することにつながります。
☆お勧めのブログ:「福島から京都に避難して」http://kyania.blog.fc2.com/
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