2013年08月09日発行 1292号

【若者たちで作ったZENKO グローバル資本の抑圧と闘う若者の連帯】

 東京ZENKOの画期的な特徴は、グローバル資本の抑圧と闘う20〜30代の 全交実行委員メンバーが企画・組織化し運営を担うとともに、海外の青年のゲストたちと闘う連帯を深めたことだ。 「司会を務めたり、若者が多いのに希望をもった」「若い人たちのまじめな取り組みは新鮮な驚きだ」「来てよかっ た。参院選結果に失望することないと強く感じた」など、参加者に希望を与えるZENKOとなった。

 全交関西実行委員長を務めた磯川諒さんは放射能健診署名に取り組んできたことを基調集会で報告した。「4月に 福島県飯舘村の細川牧場を訪問したことがきっかけ。署名提出時、復興庁の不誠実な対応に腹が立った。すべての人 に放射能健康診断と医療補償をさせるため、多くの人に知らせ署名を集めたい」

ためらいを乗り越えて

 沖縄実行委員会の比嘉勝子さんは、奨学金返還が困難となった当事者だ。「手取り14万円で家族4人を支えるこ とになり、返還が難しくなった。日本学生支援機構との交渉で返還期限猶予基準を引き出した。自己責任では片付け られない若年労働者が抱える社会問題として広げていくことが必要と思い、奨学金返済に悩む人の会を立ち上げた」

 関西実行委員会の松田明恵さんは、全交の企画や宣伝を担う中で、メンバーの間にも変化が生まれてきたと感じて いる。「ビラまきやネットなどで悩みながらも発信していく中で、知り合いを越えて参加者や協力者を作り出せた り、国外からの署名が集まり、発信することの大切さを認識した。集団で目標を明確にしたことから、ためらいを乗 り越えて電話掛けやチケット販売に取り組め、一人一人の自信や意欲向上につながった」

抑圧と闘う国際連帯

 海外からの青年のゲストたちもそれぞれの闘いや組織化について語った。

 韓国青年ユニオン委員長のハン・ジヘさんは「私たちは最低賃金を上げることをキャンペーンし、青年の雇用など に関してソウル市長と交渉し協約締結もしてきた。青年の住居や社会保障の問題に取り組むグループもある」。

 イラク進歩的青年学生連合のダラ・オスマン・ハマさんは、宗教的民族主義的抑圧が強い中で闘っている。「若者 が抱えている問題を議論し、権利を守ることを理解するための組織化や、社会で何が起きているかを検討する活動を 進めている。自由を求める若者は行動を求めている。私たちは若者の要求をまとめた要望書をつくり、デモをした上 で州政府や議会へ提出する活動を継続的に行っている」

成果の確認でやる気

 IVAW(米国反戦イラク帰還兵の会)のジョイス・ワグナーさんは、運動組織建設での工夫を紹介した。 「IVAWは若い帰還兵のグループで、メンバーが地域社会でどう生活するかが大きなテーマ。新メンバーは経験あ るメンバーとペアを組み定着できるようケアされている。個々人の能力には限りがあるため、獲得目標や優先順位を はっきりさせ、成果を確認することでメンバーのやる気を継続するようにしている」

 ZENKOは闘う若者の国際連帯を強固にした。




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