2014年07月25日発行 1339号

【反原発・細川牧場裁判 第1回口頭弁論開く】

 福島県飯舘村の牧場主、細川徳栄さんが東京電力を相手に、飼育していた馬の不当な低額評価などに対する約2億2千万円の損害賠償(慰謝料を含む)を求めた裁判の第1回口頭弁論が7月9日、東京地裁で開かれた。

 当日は、細川さんの仕事関係の牧場主、多くの友人、支援者が静岡や埼玉からも駆けつけ、メディア6社が取材。関心の高さをうかがわせた。

 被告東電側は答弁書を提出。原子力事業者の無過失責任を規定した原子力損害賠償法に基づき、原子力損害賠償紛争審査会の定める指針に従って賠償に応じる方針を表明する一方、原告側が訴状で詳しく触れた「必要な地震対策・津波対策を行わなかったこと等の結果回避義務違反が認められ、民法709条(不法行為)に定める過失がある」などの請求原因については現時点での事実認否を拒否している。報告集会で細川さんの弁護士は「東電が一部賠償責任を認めたので、これからどれだけの損害額なのかが次の争点となってくる」と述べた。

 細川さんは101歳になる母親の写真を掲げ、「来るとき会ったら、ばっちゃんは『馬の恩返しのために絶対に負けるな』と言っていた。東電の弁護士は牧場を見に来たが、全く分かろうとしない。私はこの裁判を絶対に勝つまで頑張る」と決意を語った。第2回弁論は9月24日。

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