2015年03月20日発行 1371号
【高校無償化適用求め全国統一行動 朝鮮学校で学ぶ権利を 1千人が文科省を包囲】
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2月20日は、文部科学省が2年前、高校無償化法施行規則を改悪し、2010年に始まった同制度から朝鮮学校だけを完全に除外した日。各地で、裁判闘争に立ち上がった朝鮮高校生を支援し、無償化の即時適用を求める全国統一行動が取り組まれた。
東京では、文科省を1千人が取り囲んだ。大阪・名古屋・広島・福岡・東京の5地裁で裁判原告となった朝高生・卒業生は200人を超える。彼らの熱い心を共有し、国連人権機関の勧告にも従わない日本の恥ずべき状況を変えていこうという行動だ。
当事者たちが次々とマイクを握る。
「日本で生まれ育った若者として、日朝の国交がない中でもいつか両国をつなぐ架け橋になろうと勉学やクラブ活動に励んだ。地元の高校生とスポーツ・文化交流を行い、一緒に笑い、汗を流してきたのに、なぜ私たちだけが差別されるのか」(男子学生)
「安倍政権は積極的平和主義を掲げるが、罪もない学生の権利を踏みにじり、過去の過ちと向き合わず、外国人を排斥する国が平和国家と言えるのか。そんな国で平和の祭典とされるオリンピックを開催できるのか」(女子学生)
韓国から駆けつけた「ウリハッキョ(私たちの学校)と子どもたちを守る市民の会」の代表は「1万人を超す署名を韓国で集めた。大阪朝高ラグビー部の長編ドキュメンタリー『60万回のトライ』を韓国国会で上映したのも歴史的なこと」と報告した。
オモニ(母親)の一人は「50年の人生で今のような差別は初めて。日本のマスコミはパキスタンの少女マララの迫害は大きく取り上げるのに、自らの政府が行う教育権侵害・人種差別はなぜ無視するのか」と問いかけた。
400人がデモ 差別政策撤回へ 大阪
朝鮮学校への「無償化除外」を撤回させようと全国で支援の運動が展開されています。
統一行動の20日、大阪では「朝鮮高級学校への無償化を求める連絡会・大阪」主催の集会・デモに、予想を超える400人の朝鮮学校当事者、支援・連帯の日本人が参加。シンボルカラーのピンクのグッズが集会を盛り上げました。
特に朝鮮高級学校の生徒さんのアピールは政府当局の歴史認識の誤りを的確に指摘・批判し、参加者の胸を打つものでした。初めての経験のようで、アピール後のホッとした顔が印象的でした。前途ある生徒を追いつめる政府、大阪府・市などによる一連の朝鮮学校攻撃を必ず撤回させようと一同決意しました。
朝鮮高級学校への無償化適用、朝鮮学校差別政策の撤回を求めて闘っていきます。
(中大阪朝鮮初級学校とともに歩む会共同代表・富田穀)
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