2016年04月01日発行 1422号

【1422号主張 安倍政権終わりの始まり 沖縄連帯、2000万署名で倒閣だ】

違憲の戦争法施行へ

 3月29日、誰が見ても憲法違反の戦争法の施行が強行されようとしている。にもかかわらず大手メディアには、批判など全くなく、なお安倍と「自公一強」の強大さをもち上げる記事があふれる。

 しかし、戦後70年の歴史を否定する悪法施行は、安倍の力ではなく、政権終焉(しゅうえん)に向けた終わりの始まりを意味する。昨秋の戦争法「強行採決」以降、安倍政権を土台から揺り動かす変化がすでに各分野で連続しているのだ。

安倍は行き詰まった

 安倍政権は今、政治、経済、国会運営、沖縄問題、対米関係のすべてで行き詰まりを隠せない状態になっている。

 まず第一は、最大のセールスポイントだったデフレ脱却へ何本「矢」を放っても効果を出せないことだ。「GDP(国内総生産)600兆円」どころか、直近のGDP改定値はマイナス1・1%。マスコミも「アベノミクスの破綻」と言わざるをえない。

 第二に、2月19日、安倍打倒をめざすと明言した5野党共闘が成立した。安倍・橋下(おおさか維新)連合による改憲発議への両院3分の2支配の思惑はつまずいた。

 第三に、3月4日には最大の懸案事項であった辺野古新基地建設で工事中止の和解を飲むしかなかった。安倍にとってどれほど屈辱的な判断か。

 第四に、反原発運動と世論の力が、3月9日大津地裁仮処分決定でついに稼働中の高浜原発をとめた。新基準をクリアすればいつでも再稼働可能との路線は退けられた。

 さらに、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉責任者で内閣ナンバー3だった甘利が腐敗追及で辞任し今も「病気欠席」で逃げ回る。あきれるほど続出する不祥事・暴言は、内閣のおごりと醜態をさらすものに他ならない。

 安倍政権は、あらゆる分野で失態を演じ、厳しい批判を突きつけられている。

沖縄連帯で安倍打倒へ

 安倍が必死に報道を抑え表ざたを避けようとしていることがある。それは、翁長(おなが)沖縄県政の自治体外交によって外務省の対米秘密工作に穴が開きだしていることだ。

 翁長知事は訪米を期してワシントンに沖縄県事務所を開設した。近著『戦う民意』で「上院軍事委員会の正副委員長と面談できたことが…中でも画期的」と明らかにしているが、沖縄からの直接の情報発信は、2016年度予算の大枠を決める国防権限法から決まり文句だった「辺野古移設が唯一の選択肢」の文言を削除する契機となった。これを無視したからこそ、ケネディ駐日大使の従来通りの「辺野古唯一」発言にチョムスキー氏をはじめ米国を代表する文化・知識人70人の激しい抗議文が寄せられた。バークレー市、ケンブリッジ市の沖縄支援決議も日米安保体制下で初めてだ。沖縄の闘いは、米国政府・議会を世論を明らかに変化させた。今や日本政府が「辺野古唯一」を錦の御旗≠ノできる状況ではない。

 沖縄の闘いが切り拓いた前進に確信を持ち、行き詰まる安倍内閣の打倒へダメ押しをするときだ。戦争法、改憲、新基地、原発、貧困拡大―すべての怒りを一つに2000万人署名を圧倒的に成功させよう。その力で参院選、衆院選での野党共闘を実現し、安倍を倒そう。

 (3月18日)
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