2016年04月08日発行 1423号

【2016子ども全交おおさか/フィリピンのゲスト、避難者親子とともに/人とつながり社会に発信】

 自然が好き、友だちが好き、平和が好き≠うたう子ども全国交歓会。「2016子ども全交おおさか」が3月20〜21日、大阪府羽衣青少年センターで行われた。子ども全交関西実行委員長の高松昌子さんから報告が寄せられた。

 今年は、フィリピンから2人のゲスト、東日本から関西に避難している親子を招待し、子ども・大人約60人の参加で開催されました。

 会場は広い浜寺公園(高石市)の一角にあり、火おこししてご飯つくり、国際交流のゆうべ、冒険ごっこ、フィールドワーク…小さい子どもから大学生まで年代を超え解放感いっぱいに楽しみました。

フィリピンが身近に

 マニラ貧困層の子どもたちへの教育・栄養の提供、親への支援、若者の育成を行う、フィリピンのABAKADA(アバカダカユマンギ地域発展基金)と子ども全交は20年以上のお付き合い。子どもたちの友情が平和なアジアの未来につながると続けてきた交流ですが、今回参加したほとんどの子どもや避難者親子にとっては、初めて知り、交流する機会になりました。

 来日したのはチャールズ君(10歳)と年少クラスの先生ジョナルドさん(23歳)。前日19日には、小学校で行なっている和太鼓の練習に誘い、そのリズム感のよさに驚きました。国際交流のゆうべでは、ダンスを教えてもらい、ゲームで盛り上がり、2人と共にした2日間は肌で感じる国際交流となり、フィリピンが一層身近な存在となりました。

 乳幼児の冒険ごっこは、子どもを寝かせつけ、親たちで子育て交流に花を咲かせながらの準備でした。本番は「楽しみながらもやり遂げていく子どもの成長を感じる」うれしい瞬間であり、子どもと一緒にお話の世界に引き込まれ大人もワクワクしました。

大切な子どもの居場所

 子ども全交総会、大人の交流会では、貧困問題など子どもをめぐる状況と、そのなかで排除される子ども、苦しむ子どもがいること、「保育園落ちた」ブログの大きな反響の中、安倍政権の「夢を紡ぐ子育て支援」はまったく打開策にならないことを基調で強調。「子どもを追いつめる教育機会確保法はいらない!」というフリースペースひまわりの報告、厳しい家庭環境の中、子育てを問われるお母さんが自分の子に対してわが子のように関わる大人に囲まれ親子ともに元気になっていった大阪市獅子舞クラブの報告など、子どもの居場所が必要であることが訴えられます。

 原発賠償訴訟の原告である避難者のお母さんからは、顔の見えない原告一人ひとりに時間をかけて連絡をとり話し込んで働きかけたことの苦労が語られました。また、避難者と市民で要請や交渉を重ね、行政に避難者があつまるスペースを確保させたことも紹介され、人に働きかけつながり、社会に発信していこうと確認しました。

「また参加したい」

 「この春には中学生になるけど、また参加したい」「毎回同じ場所でも楽しい企画が毎年ある」と子どもたちの感想にありました。

 楽しいのは、参加した子どもたちが心を開いて、初めての子ども同士でも共感し合い協力しあい一緒に取り組むことで得られる満足感があるからです。ありのままを認め、受け止めることは、今の子どもにとってとても大切なことですが、大人もそうです。思いを分かち合い、子育てを共有して、子どもの育ちを侵すものにしっかり「ノー!」の声を上げていかねば。

 今年も8月12〜14日に、夏のキャンプ「青空のびのびプロジェクト」(竜王こどもの王国)を行ないます。子どもに関わってくれた高校生、大学生、子どもの喜ぶ顔がうれしいというお母さんたちと、楽しいキャンプにしていこうと計画しています。



  
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