2016年04月08日発行 1423号

【拒否を許さず再任用が決まりました!/「君が代」強制が教育を荒廃させることを訴え続けます/寄稿 教職員なかまユニオン 松田幹雄さん】

 3月15日、学校長から、4月からの再任用が決まったとの連絡がありました。

 東京都教委や大阪府教委は、「君が代」不起立で処分され定年を迎えた教員を再雇用・再任用しない対応をとっています。大阪市も、次年度の採用から処分歴を再任用の判断材料の一つとすることを要綱に明記しました。昨年5月、「君が代」不起立で処分された私が3月定年退職後の再任用を希望したことに対して、再任用を拒否するのではないかという心配がありました。

 今回の再任用は、「これまで通り再任用希望者全員を再任用する制度運用を行うこと」「『再任用要綱』の改悪を根拠にした再任用希望者を差別・選別をしないこと」を求める要請書の提出と要請行動、昨年12月東京高裁での不起立を理由とする再雇用拒否取り消し判決を勝ち取った東京の闘いなどの力で、実現したものと考えています。

 学校現場に残って「君が代」強制の不当性を訴え続けられることをうれしく思っています。ご支援たいへんありがとうございました。

市民とともに強制反対

 私の処分撤回闘争の支援組織D-TaCと「日の丸・君が代」強制反対大阪ネットは、「君が代指導」をめぐって、大阪市教育委員会と2回の市民「協議」や直接の問い合わせ行動を行ってきました。

 橋下・維新支配市政の下で制定された「君が代」条例を受けて、市教委は強制を強め、「国旗・国歌の尊重」という教育目的を第一に優先すべき。子どもたちに教える史実も選択すべき≠ニ言い始めています。戦争教育に直結する、絶対認められない見解です。

 見解についてはまだ撤回させることができていませんが、「君が代」起立・斉唱が子どもたちの「思想・良心の自由」に関わる問題であり、歌いたくない子の気持ちを尊重した対応を行うべき、と確認することができました。

 D-TaCから、大阪市の小中学校あてに、市教委との市民「協議」の内容を紹介し、子どもたちの人権を尊重した対応をお願いするメールを送りました。それに対し、市教委が「本市の方針と著しく異なる」との通知を出したことを産経新聞が報道。メール内容を歪曲する見出しをつけてとんでもない団体と印象づける記事でした。直ちに抗議し、ウェブ版では一部是正させました。決めつけによって攻撃する論調が煽られていますが、私たちの主張を広く届けるチャンスでもあると思います。

 戦争国家づくりと一体で教育を荒廃させる「君が代」強制は決して許してはならないとしっかり訴えていきたいと思います。

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