2016年04月15日発行 1424号

【品川で辺野古連帯集会/現地とつながる地域のネットワークを】

 辺野古新基地建設阻止の展望は大きく開けた。工事を一時中断に追い込んだ力をさらに全国の連帯へと広げる時だ。

 3月19日東京・品川区内で、2000万署名を地域から広げている人びとが辺野古の闘いとの連帯を深める場を持ち、30人が参加した。

 現地から報告したのは、ともに読谷村在住の竹内仁さんと富樫守さん。

 子ども全交獅子舞クラブの創立当初、獅子の手作りや演技指導に携わった竹内さんは5年前、基地撤去と平和な地域づくりを進める読谷村に魅せられて夫婦で移住。辺野古に通うようになった。

 「わずかな時間で排除されていたのが、30分になり、1時間に。水曜日は数百人にもなってシャットアウト。それに木曜日も加わる。村役場から出る現地行動バスで、海と陸の闘いを生き生きと紹介してくれるのが富樫さん。話は長いですよ。でもそれだけの豊かな闘いが工事中断を勝ちとったのです」と富樫さんを紹介した。

 辺野古カヌーチーム最高齢の73歳、富樫さんは「辺野古新基地を阻止する読谷村民会議」の中心として活動している。「知事が沖縄の苦難の歴史をいくら説明しても官房長官は『私は戦後生まれでわからない。辺野古がすべて』。知事は『別々の時代を生きてきた感じ』と。辺野古闘争の原点にはこの『魂の飢餓感』がある」と話し起こした。

 工事中断の局面については「裁判所の和解案に『話にならない』と言っていた防衛省に官邸から検討の状況が伝えられなくなり、『沖縄の支持がない。計画は遅れている』と表明した米軍には官房長官が『遅れていない』といらだって抗議。国はあせっている」と指摘した。

 その上で、闘いの展望を強調する。「工事を止めたことが重要。海上のフロートはさびついていたり、切れそうになっている。半年経つとなると台風シーズンにもかかる。コンクリートプラントや仮設道路などの工事、埋蔵文化財保全も控えていて、その一つ一つに知事権限がある」

 何よりも止めた時間は全国の連帯を広げる時間に、と富樫さん。「世論喚起の最後の1年。きょうも、ここで皆さんと交流ができてよかった。私たちは辺野古に心を寄せる皆さん同士の触媒になっていければ」

 翌日に交流会を開く辺野古・高江プロジェクトから早速声が上がった。「私たちも明日、富樫さんを呼んで交流する。できるだけ現地へ人を出し、連帯していく」。実行委員会の北村純一さんが応答した。「思いは私たちも同じ。多くのグループが協力しあって、求められる人数をより効率的に派遣できるネットワークを作りましょう」

 集まったカンパを託された富樫さんは「『標的の村』監督の三上智恵さんに手渡します。次の作品はここにいる皆さんに真っ先に見てもらえるようにしましょうね」。どっと笑い声が起こった。

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